転載します。
コンサートの記憶を、まだ文章で残さない代わりに、
このコンサートを迎えるにあたって書いた文章を転載します。
……なんだか、けっこう書いたのです。
☆フライヤー挨拶文
☆当日パンフレット挨拶文
☆演奏曲紹介分
コンサートの記憶を、まだ文章で残さない代わりに、
このコンサートを迎えるにあたって書いた文章を転載します。
……なんだか、けっこう書いたのです。
☆フライヤー挨拶文
☆当日パンフレット挨拶文
☆演奏曲紹介分
第一部【小さな愛から始めよう】
1 Be Our Guest(全員)
「美女と野獣」で、久しぶりにお客様を迎えたキッチンの食器たちが、喜んで歌う楽しい曲です。わたしはロンドンで上演を見ましたが、張り切って歌うポットおばさんが可愛くって可愛くって、ずっとこの歌を歌う機会を待っていました。今回は、秩父市民ミュージカルの自慢の4人の熟年チームが、ポットおばさんをつとめます。
2 It Couldn’tPlease Me More
(堀田恒子・長又昭文)
ミュージカル「キャバレー」のナンバーです。熟年男性が、熟年女性に、とあるプレゼントをすることで、彼女の心をいとめるのですが、さて、そのプレゼントとは……?
「キャバレー」上演は、ロンドンと東京あわせて5回も観ています。一番印象的だったのは、30代後半の頃観た、サム・メンデス演出のものです。
熟年男女の心のふれあい方、人生の後半での恋の穏やかさに感動して、笑い泣きした記憶があります。歳をとるののも悪くないなあ、なんて思いました。ユダヤ人迫害が愛する人々を引き裂いてしまう悲しいラストを迎えるストーリーですが、観劇後心に残るのは、人と人を結ぶかけがえない愛情と、人生を逞しく生き抜こうとする力です。
3 Good Morning Chichibu
(新井絵里菜・新井起子・新井悠起子・千島麻子・本間聡美・山崎未来/Sax 松延耕資・カホン 伊藤靖浩)
原曲のタイトルは、「Good Morning Baltimore」。ミュージカル「Hair Spray」のナンバーで、主人公の夢見る太っちょの女の子が、朝目覚めて、自分の町ボルチモアへの愛情を、高らかに歌い上げる曲。これは、新宿厚生年金会館で招聘公演を観ましたが、もう、とにかくこの一曲目からご機嫌でご機嫌で!ストーリーは人種問題を扱っているのですが、一切湿っぽいことはなく、ひたすらに明るく元気をもらえる作品です。
この歌を、今日は秩父に生まれて秩父に育った女の子たちの歌に書き換えました。彼女たちの元気を受け取ってもらえますように!
4 世界が百人の村だったら〜
Over The Rainbow
(新井起子/新井悠起子・本間聡美・山崎未来・
石丸さち子/伊藤靖浩)
映画「オズの魔法使い」の有名な一曲です。犬のトトがいじめられる話を聞いてほしいのに、大人は日々の暮らしに忙しくて聞いてくれない。おばさんは、「悩みのない国でも探したらどう!?」と厳しく言い放つばかり。ドロシーは、虹の向こうにあるという、悩みや悲しみのない国を夢見ます。この夢が、彼女をオズの国に連れていってくれるのですが、これは皆さん、ご存じですよね。
時代は変わっても、世界から悲しみが消えることはなく、わたしたちの国も大変な時局を迎えていますが、こんな時こそ、祈ること夢見ること、その支えになる勇気を忘れないでいたいと思います。
そして、唇には歌を!
5 Baby Mine
(栗原和子・星野和代・堀田恒子・山田米子)
ディズニー映画「ダンボ」からの一曲。サーカスの象ジャンボさんの赤ちゃんダンボは、とっても耳が大きくて、まわりの心ないおばさん象に馬鹿にされます。ジャンボさんは怒って我が子を守ろうとしますが、それがもとで「きちがい象」のレッテルを貼られ、檻に入れられてしまいます。お母さんがいなくなって心細くって淋しくって、泣いてばかりいるダンボを、友達のネズミがお母さんの檻まで連れていきます。檻ごしに、鼻と鼻で触れ合いながら、ジャンボ母さんがダンボに歌います。鼻を揺りかごのようにして、ダンボを揺らしてあげながら。「かわいい坊や、どんなことがあっても泣かないで、いつも笑って暮らすのよ、おやすみ、愛しているわ」と。
「ダンボ」は、実はわたしが生まれて初めて見た映画なんです。母の強さ、優しさ、おおらかさ……。
これは一生涯、わたしの愛唱歌であり、我が母につながる歌です。
第二部【The Sound Of Music】
2010年7月に上演した「サウンド・オブ・ミュージック」コンサートより、6曲をお届けします。
修道女見習いのマリアは、お転婆で自由で、修道院では朝のお祈り(6)さえすっぽかす劣等生。山に行っては自由に歌って過ごします(7)。修道女たちは、その自由さに呆れながらも、彼女を愛しています(8)。そんなマリアに、トラップ一家の家庭教師という勤めが舞い込み、不安をいっぱい抱えてマリアは、自分を信じよう!と心を決めて旅立ちます(9)。厳格な家庭で、母を早くに失い、歌を歌うことも知らなかった子どもたちですが、どんどんマリアと心を通わせあっていきます。大人になりかかった長女のリーズルも、はじめての恋(10)を、母の代わりにマリアに話します。また、トラップ大佐もマリアも、お互いの恋心、寄せ合う愛情に気づき、様々な障害や悩みを乗り越えて、結婚。しかし、折しもナチス政権台頭の厳しい時代。祖国オーストリアがドイツに屈することを拒んだトラップ一家は、亡命を決意して、山を越え、中立国であるスイスを目指します。修道院長が歌ってくれたように、「どんな山でも登りなさい、あなたの道を見つけるまで、恐れず、振り向かず、夢が叶うまで」と歌いながら……。(11)
6 Monrning Hymn(女性全員)
7 Sound Of Music(新井起子)
8 Maria(栗原和子・鈴木知子・星野和代・
堀田恒子・山田米子・新井悠起子・山崎未来)
9 I Have Confidence(本間聡美)
10 Sixteen Going on Seventeen
(山崎未来・吉木遼)
11 Finale : Climb Ev'ry Mountain(女性全員)
第三部【5年間を振り返る】
結成5年目を迎える秩父市民ミュージカルの活動の中から、思い出の曲を選んでお届けします。
11 Go the Distance(飯田伸・吉木遼)
Vol.2のコンサートで披露した、ディズニー映画「ヘラクレス」より、アラン・メンケンの名曲。
昨年とは違う趣向でお見せします。
12 Thank you for the Music
(新井絵里菜・新井悠起子・本間聡美・山崎未来)
ミュージカル「マンマ・ミーア!」からの一曲。これも昨年のナンバーです。それ以来、みんなの愛唱歌になっている、歌が大好きな人のための歌です。
13 二人の花を咲かせよう(全員)
石丸さち子台本・作詞/松延耕資作曲でお届けした、オリジナルミュージカル「花と嵐と女たち」のメインテーマです。今日は、結婚を前にした娘と母の、お芝居のワンシーンとともにご覧ください。
14 Amazing Grace(全員/伊藤靖浩)
2006年11月に結成、その後、約3ヶ月の稽古を経て上演した、「お世話になります!」の中からの有名な一曲。
オーディションで歌い、そのまま、全員で歌う最初の曲となりました。思い出深い大事な歌です。
15 Circle Of Life(全員/松延耕資・伊藤靖浩)
ラストを飾るのは、新曲です。
ディズニーの映画にもミュージカルにもなった「ライオンキング」のトップシーンを飾る名曲。
生命の環、手から手へつながる幸福、こみあげる信頼、希望の絆、生きている喜びが、燦々と輝く太陽のもと、広大な大地の上で、歌い上げられます。
年齢層が広いチームになると、リズム感を揃えるのがものすごく大変。この曲は大挑戦です。みんなで心をひとつにして、生命の環のリズムを刻みます!
16 お世話になります!(全員)
おなじみ、秩父市民ミュージカルのテーマソング。
愛されて、歌い続けられて5年。幸せな歌です。
本日は、ご来場ありがとうございます。
このコンサートに寄せる思いは、公演チラシの裏側に十分書きましたから、
ここでは、感謝の思いをお伝えしたいと思います。
秩父市民ミュージカルは、今年11月をもって、結成5周年を迎えることになりました。
ここまで活動を続けてくることができたのは、たくさんの方々の愛情のおかげです。
まずは、現在の活動を支えてくださっている、久喜邦康市長に心より感謝いたします。
そして、わたしを秩父の町に呼んで下さり、市民ミュージカルを発足してくださった栗原稔前市長。
すべては、あの、市長室でご挨拶申し上げた日から始まりました。この出会いをありがとうございます。
活動の制作を担当してくださった、新井秀弘さん、宮城敏さん、山中俊一さんはじめ、市役所の皆さま。
歴史文化伝承館で公演する度にお世話になった、新井定一さん。
最初の振付をお願いした野口菜美さんにも、振付だけではなく、秩父で表現活動をするためのあれこれを教わりました。
「赤鬼」では荒川支所の笠原明彦さんにお世話になりました。
秩父芸術祭実行委員会の皆さまにも、ずっと支えられてきています。
稽古場として使わせていただいている、荒川公民館、影森公民館、原谷公民館のスタッフの皆さま。
東京からはるばるやってきて、公演の度に力を貸してくれた、わたしの大事なスタッフ仲間たち。
講師をつとめてくださった、泉忠道さん、酒井亜矢さん。
そして何よりも、市民ミュージカルメンバーのご家族の皆さま。その支えがなければ、わたしたちは、幾つもの公演の稽古を乗り切ることができませんでした。
すべての、すべての、愛情に、心より感謝いたします。
市民ミュージカルの仲間たち。
わたしをいつも待ってくれている皆さんに、どれほど元気と勇気をもらい続けたことでしょう。
一緒に、思いっきり笑って、時には泣いて、たくさんの幸福な奇跡を体験してきました。
ありがとう。ありがとう。
自然と人間味溢れる豊かな町で生まれた、この元気な歌声が、ずっとずっと続いていきますように!
あ、大事な方々が最後になってしまいました。
わたしたちの公演を観にきてくださる観客の皆さま。
舞台芸術は、舞台と観客席両方があって、ようやく成立します。一緒に創っているんです。
いつもあたたかい声援をありがとうございます。
10周年を目指してさらに歩み続ける秩父市民ミュージカルを、どうぞよろしくお願いいたしします。
これからも、お世話になります!!
演出家 石丸さち子
秩父市民ミュージカル ドラマティックコンサート Vol.2
「秩父より愛をこめて〜世界を愛する歌の花束」
秩父市民ミュージカル結成・活動5年という節目のコンサートのチラシを、手に取って、読んでくださっている皆様へ!
こんにちは!
結成から今日まで、演出家として、東京在住ながらもずっと秩父市民ミュージカルのメンバー、石丸さち子です。
今年3月、たくさんの大事な命を喪い、深い哀しみと痛みを残した天災および事故から、もう半年が過ぎました。
復興は時間を要し、事故処理の問題は、この国に大きな波紋と煩悶を呼んでいます。
そんな中、秩父市で、総メンバー20人程で活動するわたしたちにできることって何でしょう?
いろんな回り道をして行き着いたのは、
まずは自分たちが、歌うことで楽しくなること、でした。
何より、こうして生きて暮らして、仲間で集まって、声をあわせて歌うことのできる喜びを感じること。
震災後、しばらく市民ミュージカルの稽古もお休みすることになりました。
久しぶりに秩父に出向いた時。「さあ、今日はとにかく歌おうよ、これまでかじかんでいた心を温めようよ」ということで、ずっとみんなで歌い続けたのですが……その時のみんなの笑顔が忘れられません。伸びやかな声は、わたしが仕事で聴いてきた素晴らしい歌と同じくらい感動的でした。
わたしたちには、歌が必要!だったんです。
そして、今回のコンサートです。
わたしたちは、小さな愛情を歌います。
自分の手の届く人への愛情。
自分を育ててくれた町への愛情。
でも、きっとそれが、大きな愛情の始まりだと思うんです。
今回のコンサートは、そんな感じ。
歌で、世界に愛を届けます!
ありがとうの気持ちを届けます!
皆様から頂いた入場料の一部は、秩父市を通して被災地に寄付させていただきます。
ささやかですが、小さな愛情が集まれば、きっと大きな力になることでしょう。
今年のお品書きは……
「キャバレー」「オズの魔法使い」「ヘアスプレイ」
など、有名ミュージカルからのナンバー。
昨年好評だったディズニーシリーズは、
「美女と野獣」「ダンボ」「ライオンキング」から、これまた素敵な曲たちを。
「サウンド・オブ・ミュージック」からは、数曲を、リーディングミュージカルの形で抜粋してお届けします。
どれも汗と涙と、ハートのいっぱい詰まった一品です。
きっと、ここでしか聴けない歌があります!
ちなみに、秩父市役所荒川総合支所荒川農村環境改善センター(長い!)です。
そして。
きっと、わたしたちにしか歌えない歌があります!
今までで一番準備期間が短く、一番難易度の高い曲が多い、そして、参加人数も少なくて、最も成功が危ぶまれたコンサートが、幸福に、楽しく、大好評のうちに終演しました。
本当に幸せなことです。
力を貸してくれた、泉先生、松延耕資氏、伊藤靖浩氏にも、感謝。
遼は、優等生でもないし、助っ人というには頼りない時もありましたが、でも、いないのは考えられないナイス客演でした。
篤史が来てくれたのも嬉しかった。
そして、いつものことながら、膨大な楽譜と闘って、わたしたちを支えてくれた史ちゃんに、とびきりの愛を込めた感謝を!
わたしの仕事のせいでスタートが遅れて、皆さんには本当に大変な思いをさせましたが、よく信じてついてきてくださいました。
メンバーの皆さんには、ありがとうを、何度も伝えたいと思います。
いつものように、一曲ごと、一人一人の顔を思い浮かべて回想したいところなのですが、11月3日に控えた次の仕事のために、休む間もなく追われる生活をしています。
これが終わったら、ゆっくり回想の時間を持ちたいと思います。
わたしは、11月に入ったら、またレッスンに参ります。
起子さん、よかったら10月に泉さんのレッスンを企画してください。
酒井は、わたしのIN-Project公演に出ることになっているので、いつもより忙しいかも……。
ゆっくりじっくり、みんなと過ごす時間を、早く持ちたいと思います。
そして、5年を過ぎて、これからわたしたちのチームをどう育てていくのか、また話し合う機会を持ちましょう。
お疲れさまでした!
そして、ご来場いただいた観客の皆さま、ありがとうございました。
「Oh Happy Day」を楽しい時間にしてくださって、感謝しています。
とっても楽しかった。
また、次回の公演にご期待ください。
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