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2012年5月18日 (金)

ヴィソツキーの夜。

生きていると、暮らしていると、まあ細々とがっかりすることがあって、
今日はたまたま、そんなことのぐっと寄り集まった1日だった。
ここのところ、「三人姉妹」上演に向けての事務作業に追われて、潤いに欠けること甚だしい日々であったから、少しリセットが必要と感じた。
今日の夜は、事務をしない!と決めた。
しっかり風呂の掃除をしてから、きれいなお湯に身を沈めて、チェーホフ関連の書籍を読む。
ひたすらにバリオスのギター曲を聞きながら、風呂上がりにまた読書。
そして、演出プランを夢想するうちに、ウラジーミル・ヴィソツキーのことを思っていた。

ヴィソツキーのことを教えてくれたのは、早稲田で授業をとっていた、故、宮澤俊一先生だった。
日本でたった一枚発売されていた彼のLPの、訳詞と解説をしていたのは宮澤先生。
先生の興した群像社の書籍は、わたしの書棚に何冊も並んでいる。

懐かしい気持ちで、久しぶりに、ヴィソツキーのロシア語サイトを開いてみると、かつてよりぐぐっと充実していて、彼の歌に恋して過ごした青春の日々が蘇ってくる。

彼の舞台での演技は、リュビーモフ演出の「ハムレット」が名高いけれど、わたしは、「桜の園」のロパーヒンを、彼がどんな風に演じたか、タイムスリップして、何とか観たい。観たい。

ヴィソツキーのことは、改めて書こう。
ロシアの英雄、わたしの永遠の詩人。
あのしわがれた魂の呼び声と、かき鳴らすギターは、わたしの20代の孤独を、どんなに彩ってくれたことか。

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