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石丸の仕事

裕介

2010.07.03

7月2日(金) YSスタジオ

長いこと日記止めてましたごめんなさい橋本です。

昨日は日記フォローしてくれてありがとうございますアキちゃん。

さて、本日は田村先生の特別授業「間違いの喜劇」第二回目。

参加者は田村さん、ぐー、栄二さん、遼、橋本の5人でした。

5人でした

…稽古場広いなーと感じつつ、いつも通りストレッチ、発声、歌。

短い休憩をはさんで早速読み合わせに突入。

女の子がぐーだけだったので、最早性別関係なく、ドローミオやアンティフォラスもやってもらうことに。

木曜に引き続き、田村さんにバシバシ指摘してもらいながら、役を入れ替え人を入れ替えガンガン喋りまくる。

語尾が抜けて台詞が相手にかからなかったり、「食卓」という単語の無声化が出来なかったり、各々今まで素通りしてきた言葉の癖と格闘する。

いかに自分が適当に言葉を発してきたのか、特に個人的には「てにをは」と語尾をいかに疎かにしてきたのか思い知らされる。

でも、本当に一語一語に意識を集中して台詞を言葉にしていくと、感情だけでやろうとしていた時よりも遥かに感情がのせやすくなることに驚く。

ロミジュリも一回言葉をしっかりチェックし直してみたらちょっとは変われるかなーと思ったりする。

そして、もう一つやっていく内に分かったのは、男性陣の課題はドローミオだということ。

主人のアンティフォラスがガンガン怒りをぶつけてくるのを、口達者な召使い(道化役)のドローミオが軽やかにかわしていって、結局最終的に口喧嘩で主人に勝ってしまう。その逆転の構図に価値低下の面白さがあって、それがこの台本の魅力なのだと思う。

そのことが田村さんのドローミオを聞いているとよく分かるのだけれど、自分でやろうとすると一生懸命になり過ぎてしまって上手くいかない。

ドローミオの「軽さ」をいかにして出すか。

それが今後の大きな壁になりそうな気がする。

そんなこんなで全員役が一回りした時点で石丸さんが到着。

抜き打ちテストのような勢いで読み合わせを聞いて頂くことに。

栄二さんと二人、緊張しまくりで普段以上に舌が回らなくなり撃沈。

そして今日一日、田村さんのを除けば、ぐーのドローミオが一番良かったなーと気づいて凹む。

負けるもんか!と決意を新たにしたところで今週の稽古は終了。

来週からは立ち稽古に入れるように頑張って台詞を覚えるぞ!

精進あるのみ!

橋本裕介

2010.05.15

5月14日 YSスタジオ 執筆者<橋本裕介>

5月14日(金)晴れ 

YSスタジオにて 

まずは朝の自主稽古から。

10時頃稽古場に到着すると、いつも通りぐーが先に来ていて鍵を開けてくれていた。

いつも寝起きの悪いスタジオの管理者と格闘してくれているぐー。ありがとう。感謝。

目下の課題である「リラックスした発声」を手に入れるためにはどうすればいいか、ぐーに相談してみる。

「まずジュリエットの台詞を言ってみて、その解放された気持ちのままロミオの台詞を言ってみたら?」

「息をもっとお腹の下の方にまで落とすために剣道の蹲踞の体勢で声出してみたら?」

次々いろんなアイディアを出してくれる。

中でも今日一番大きな発見だったのは、剣道の打ち込みの時の気合の要領で台詞を言ってみると、喉を閉めることなく腹から自然に声が出せるということ。(ちなみに自分は中学時代剣道部)

ちょっと強すぎる発声なので使い所は限られると思うけど、自分的には大きな一歩。

同じ課題で悩んでいる遼にも今度薦めてみようと思う。

活路を開いてくれたぐーに感謝。

11時頃瑞穂さんも合流。

またまた「リラックスした発声」について相談してみる。

「普段話している時の声の出し方のままで感情を込めないで台詞をただ読んでみたら?」とアドバイスを貰う。

さっそく実践してみる。

あまりにも普段の声の出し方と、台詞を言っている時の声の出し方が違うことを再確認して驚く。

「台詞を言うんだ」という気合が災いして力みすぎた声の出し方になっている。抑揚もおかしい。普通人間はそんな話し方しない。

よく石丸さんに注意される歌う様な台詞回しになってしまう原因もこれに関係するものだと思う。

「リアルな実感の伴った言葉」を手に入れるためにはこの力みを克服することが不可欠。

大事な気付きを与えてくれた瑞穂さんに感謝。

12時、みんな揃っていつも通りストレッチ。

…と思いきや、男子は自分と拓哉の二人しかいない。

淋しい。皆早く戻ってきて…

淋しさを押し殺して、あいもかわらず言うことをきかない自分の肉体と向き合う。

「腰が逃げてしまう」というストレッチでの課題を克服しようと悪戦苦闘するも惨敗。

筋肉の問題か?それとも骨か?生活習慣病か?

うーん、整体にでも行ってみようかな…

ストレッチの後、体を温めるために静香さんの振り付けでちょっとしたダンスをする。

コントラクションという、何やら上半身をうねうねさせる技が難しい。

ノブちゃんに付きっきりで教えてもらうも、なかなか習得できず。

横で見ていた拓哉があっさり出来るようになっていて凹む。

ちくしょー負けるもんか。

ちなみに桐香さんとノブちゃんのダンスが特に素敵だった。

ダンスが終わると、今日は早上がりのぐーとアキちゃんの稽古からスタート。

ぐーは三人姉妹、イリーナの労働の喜びについて語るシーンの稽古。

ちゃんと実感を持って話さないと、何回でも「へ?何?」って聴き返してくるいじわるなチェブトゥイキンさん(演・石丸さん)と格闘するぐー。

最初は言葉が体から浮いてしまっていたのが、どんどん良くなって言葉に魂が込もっていくのが見ていて聴いていてハッキリと分かる。凄い。面白い。

アキちゃんはロミジュリの稽古。

桐香さんにお腹を抑えつけられながらロミオへの愛を叫ぶアキちゃん。

抑えつけられて腹に力が入ることによって声に芯が出来る。

それだけで台詞の届いてくるパワーが全然変わってくる。

やっぱり大事なのは腹、丹田なんだと再確認。

休憩の後は自分のロミジュリから稽古再開。

今日意識して臨んだことは、

「背中にまでたっぷり息を入れること」

「色々な息の吸い方をしてみること」

「台詞の指向性、ベクトルをしっかりと意識して言葉を発すること」

「共演者をちゃんと見ること」の4つ。

静香さんがジュリエットを演ってくれる。

毎回思うことだけど、ジュリエットをやると女性陣は皆、物凄く魅力的に、可愛くなる。

静香さんが自分の言葉で喜んでくれたり、笑顔で手を握ってくれたりするとそれだけでもう今死んでもいいやってくらい嬉しくなる。自然に心が動くから無理して興奮しようとする必要がない。

でもこの前、太一さんと一緒にやっていた時の静香さんは今日の何億倍も更に更に魅力的だった。

ロミオとしての自分の力不足で、ジュリエットを全然ハッピーにさせられていないのだ。

不甲斐無い。ちくしょー不甲斐無い!

おまけに今日は自分が台詞を覚えていなかったばかりにシーンの最後まで行くことが出来なかった。不甲斐無さ過ぎる!

ポリフォニックに入って以来初めて石丸さんに「今日のはちょっと良かった」と褒められて嬉しくもあったけど、それと同じくらい悔しい気持ちで一杯だった。

男らしい男になって、心意気のある男になって、愛溢れる格好良い男になって、次こそはジュリエットを本気で喜ばせてやる!

精進あるのみ!

さて、その後。

例によって石丸さんは役者たちの感情を解放させるために様々な方法でアプローチしていく。

中でも、今日一番のクリーンヒットは、最後の最後、上村さん演じるマーシャの苦しみの具現化したものとして普段バッグを抱いているところを、バッグの代わりに拓哉を抱きしめて台詞を言うというもの。

拓哉を力一杯抱きしめながら発せられるマーシャの言葉は今までで一番実感のこもった素晴らしいものだった。

台詞に命が通って、その人物の腹底から言葉が出てきている状態。

そういう状態に到達できるように自分も、もっともっと色々考えて、アプローチしていかなきゃなと思った。

精進あるのみ!

太一さんも書いていたけど、毎回沢山の気付きや刺激や喜びや悔しさやとにかく色々なものを与えてくれるこの稽古場は自分にとって大切な場所だ。

今はまだ与えてもらってばかりの状態だけど、いつかはちゃんと自分からもこの稽古場に何かを供給出来るようになりたい。

そして、ネット検索でたまたま見付けただけのこの稽古場で、奇跡みたいに出会えた皆と芝居が出来ることを心底楽しみ尽くしたい。

この場所で芝居が出来る幸せを噛み締めて、精進あるのみ!

橋本裕介

金曜の稽古が終わってから、二日間ひた走って、ようやくこの時間に一息つく。もう三時半をまわった。裕介の稽古記録をまた読み返してみる。つかんだかなと思ったらありゃりゃりゃりゃりゃ……って感じだったぐーとか、時折裕介が見せる修行僧みたいな顔とか、旅に出た息子のこととか、いろいろいろいろ思い浮かべる。
わたしがまだ到着しない時間の稽古場。
それぞれが模索する時間の堆積。
一年間を通して、これだけの稽古をする現場が、このままの熱で続けば、きっとどこかに行けるはず。
……金曜日に裕介に言いたかったこと。
わたしが「いい」って言った時は、何かあるんです。いいものが。 模索し続ける、さらに上を目指す、常にその繰り返し、どこまで行っても「途上」の俳優修業ですが、 「いい」ものを忘れないでいる、何がよかったのかをわかっていて、再現できる、ということが俳優にとってはとても大事。
これがなかなか難しいことなのですが、積み重ねていってほしいと思います、これから見つけていく「何かよいもの」を。少しずつでも。
たくさんの何かよいもの、言い換えればたくさんの魅力が寄せ集まって、それが乱反射する時に、人の心を動かす瞬間が生まれると思うのですよ、その人特有の表現が生まれると思うのです。
この言い方じゃあ、わかりにくいかな。
稽古場で。また稽古場で。
わたしたちには、まだたっぷり時間があります。

2010.04.28

4月27日(火)和田会議室

今日の稽古は12時から。丸ノ内線東高円寺駅から徒歩10分の和田会議室にて。

三回目にしてようやく道に迷わずに稽古場まで辿り着く。

<本日のメニュー>

ストレッチ→腹筋→呼吸の確認→発声→歌(美女と野獣)

→奥村佳恵さんの歌唱指導→ロミオとジュリエット

ポリフォニック二期の稽古も今日で四週目に突入。

まずはいつも通り皆で輪になってストレッチ。

ブリキのおもちゃ並みに硬い己の体と向き合う。

と同時に、静香さんや桐香さんの柔軟さを羨望の眼差しで見つめる。…いいなあ。

いや、諦めちゃいけない。いつかは俺だって…!と自分を励ましながら頑張る。

ストレッチしている部位を意識しながら深い呼吸をしていると、ちょっとだけストレッチが深まってくる(気がする)。

ストレッチの次は月曜日恒例の腹筋祭り。

50回過ぎたあたりから首ぐらいしか上がらなくなる。家でも筋トレしなきゃと反省する。

100回のはずがなぜか男子は160回くらいまでやる。(石丸さんはドSだなあと思う。)

ストレッチを終えると呼吸の確認。

仰向けに寝て、背中で床を押しこむように深く息を吸い込む。同時に肋骨も広げていく。

たっぷり吸いこんだらお腹に圧をかけキープしたまま息を均等に吐いていく。

この息を吐くことがまだ上手く出来ない。圧をキープしようとすると腹筋が震えてくる。

石丸さんに実演してもらうと、たっぷりとした息が一瞬で入ってきているのが分かる。息を吐いていくときも、リラックスしているのにお腹の圧は失われていない。

むむむ。精進あるのみ。

呼吸の確認の後は発声。

立ち上がると寝ている時のように深くまで息を吸うことがまだ出来ない。

「横隔膜を均一に押し下げる」「肋骨を開いていく」頭では分かっていても上手に身体を操縦出来ない。

同時に発声の時に下顎と首がガチガチに固まってしまうという自分の癖とも格闘する。

23年間かけて作ってしまった悪癖は一朝一夕では解消出来ない。でも頑張る。

声出しの最後に走りながらオクターブの発声をする。

走って息が上がった状態で田植えのポーズに入ると自然とたっぷり息が吸える。

これが真っ直ぐ立った状態でも出来るようにならなければ。

精進あるのみ。

発声の後は美女と野獣を歌う。

観音開きの扉を押し開くようなイメージで、声を前に飛ばす練習。

最初は皆で、その次に静香さんと桐香さんと太一さんと佳恵さんが一人で歌う。

皆それぞれに声の出し方や歌い方が違うので聴いていて面白いし勉強になる。

そして今日はその後、奥村佳恵さんの歌唱指導があった。

佳恵さんの歌のパワーとか、立ち姿の美しさとか、石丸さんの熱く厳しい駄目出しとか、色んなものが頭の中でぐちゃぐちゃになって、打ちひしがれた。

表現者として自分の遥か先のステージにいる人。

大舞台を背負って立つ一人のプロの女優と、それに向き合う演出家。

その姿に、悔しさとか、焦りとか、情けなさとか、後悔とか、悔しさとかとにかく色んなものが湧き上がってきた。

…精進あるのみ。

そしてロミオとジュリエットの稽古。

今日の稽古のメインテーマは「相手から受け取ったもので自然に心が動いて、台詞にその心の震えがストレートにのっかっている状態になる」こと。要は恋する男の子になること。

個人的な課題は首と下顎と上半身がガチガチに固まらないようにすること。

そして、ニュートラルな状態で立つこと。

ジュリエットに本気で恋をしようとする。全身を耳にしてジュリエットの吐息一つにまで意識を集中する。ジュリエットの一挙一動に素直に感動する。とにかく意識を研ぎ澄ませて頭の中がジュリエットだけって状態になろうとする。

さつきさんとロミジュリをやるのは四回目くらいだけど、ようやく、さつきさんの声をちゃんと心で聴けるようになってきた気がする。

そして今日は不思議と、ジュリエットに集中しようとすると自然に身体から力が抜けた。

課題はまだまだ山積みだけど、ずっと同じ所で足踏みしていたのが、今日は半歩くらい前に進めた気がする。この感覚を忘れたくない。

自分の番が終わると今度は皆のロミオとジュリエットを見る。

皆の演技を見ているこの時間が一番勉強になっている気がする。それに楽しい。

今日も石丸さんはあの手この手で皆の感情を引き出そうとしていた。

☆ジュリエットと同じ呼吸をさせる。

☆羽交い絞めにして近づきたいのに近づけない、触れ合いたいのに触れ合えないという状態を作る。

☆全ての台詞をウィスパーで言わせる。

それをすることによって皆の感情が生き生きと動き出しているのが見ていて分かる。

面白い。

こういう感情へのアプローチの仕方を沢山持っているのが良い役者なのかなあと思う。

「自分の気持ちを美しい言葉に乗せられる喜びに酔って!」「内から込み上げてくるものに浮き立たせられて饒舌になっていく感じで!」

石丸さんの求めるそういう状態に、自力で這いあがれるようにならなければと思う。

精進あるのみ。

ポリフォニックの稽古場に通いだしてから約一カ月。

一回一回の稽古が気づきと感動の連続だった。

あんまりにも周りの皆がどんどんどんどん良くなっていくから、

自分が停滞していると悔しさと焦りで前が見えなくなったりもするけど、

そういう場所に居られることの喜びを感じて、

一歩一歩進んで行きたいと思う。

努力は人を裏切らない!

精進あるのみ!

橋本裕介


精進の嵐に驚きました。
金曜日は、どうなることかと思ったけれど、昼間っから酒飲んで、酩酊状態あるいは不如意の状態で自分の言葉を見つけようとしてたなんて報告をもらって、わたしは実に愉快でした。
喜んで君の精進につきあうよ。
今日も、佳恵の姿とかって、刺激的だっただろうし、みんながわたしにあーだこーだやらされて、その時々に輝く姿も、確かに忘れがたい瞬間がいっぱいあるね。
常に、何かを見つける可能性のある、いろんなきらめきの零れている稽古場であるように、わたしも精進します。
それにしても、みんなずいぶん真面目に書いてくれるんだなあ。
びっくり。
毎回だったら疲れちゃうだろうけど、10回に1回くらいだったら、大丈夫かな。
……この記録は、かなりいいね。わたしもごまかしきかないな。新鮮な稽古、続けよう!

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