トップページ | 2012年6月 »

2012年5月

2012年5月31日 (木)

生き方の根拠が違う人

皆さまこんばんは。

郵便物を、ポストと間違えて燃えるゴミに投かんする、そんな日常を送っているモスクワカヌです。

今日の稽古は少人数。

おもに「アンドレイ」と「ナターシャ」という役を中心にした本読み稽古になりました。Image534
左から、吉木遼さん、斎藤穂高さん、渡辺樹里さん、飛鳥井みやさん。

斎藤さんが「アンドレイ」、渡辺さんが「ナターシャ」の役です。

劇中でこの2人は夫婦なのですが、今日の稽古は1幕最後のプロポーズと、2幕3幕の、結婚し子供を産み変わっていく「ナターシャ」という人物について。

演出の石丸さんは役の在り方について、読みながら俳優にいろいろ注文をつけていきます。細かい味付けをする前の下ごしらえ、といったところでしょうか。

「アンドレイ」のプロポーズの場面では、感動することを。

「ナターシャ」には、他の誰とも違う彼女にとってのナチュラルを。

「ナターシャ」という役は、一見この物語のなかで、悪役にすることも簡単な人物に見えてしまうのですが、石丸さんは「悪い人じゃないけれど、生き方の根拠が違う人」という言い方で、「ナターシャ」には彼女なりのナチュラル、リアルがある。ただそれが他の人と違っているだけ。だから俳優には、ナターシャにとってのナチュラル、ナターシャ・ナチュラルを見つけてほしい。という注文をだしていました。

もともと石丸さんは、劇中の人物への繊細な理解、アプローチをされる方ですが、「ナターシャ」へのこのアプローチは目から鱗で、私が感動。

明日は三人姉妹中心の稽古。

では皆さま、До завтра!(ダ ザフトラ!/また明日!)

モスクワカヌ.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月30日 (水)

「三人姉妹」読みあわせ。

昨日今日と、「三人姉妹」のほとんどの出演者がそろった状態で本読みが行われました。

稽古場に、机と椅子とをぐるり四方に並べての読みあわせ。

それで気がついたのですが、セリフを読みながら、今自分の前に座っている相手は誰なのか、どうなのか、を、キャストの方がよく見てる。

相手を見る、なんて当たり前と思うかもしれませんが、そうではなくて、私たちの普段の「見る」という行為が「撫でる」だとしたら、稽古場で交わされる視線は、相手を「斬って」或いは「斬ろうとして」いる。

そんなライトセーヴァーのような視線同士の、やり取りというか剣戦。斬ったり斬られたり、刃を交わしたり。

「三人姉妹」は、人物のなかで起こることはともかく、表われかたはそれほどスペクタクルではないのに、読みあわせからものすごくエキサイティングだ。

そんな現場にいると、見る目がある人というのは、相手を斬って中身を見れる、そんな刀のような視線を持っている人なのかと思ったり。

だけど同時に、見ているものに捉われない。セリフのやり取りでも、相手から生まれたよいものは受けて、そうでないものからは自由。一瞬間の取捨選択、ジャッジが厳しい。

ああでも役者って、その一瞬一瞬を、演出家に観客に俳優仲間にジャッジされ時には切り捨てられ、でも選ばれてきたから今この現場にいる人たちのことだ。

演出の石丸さんいわく、今回の布陣は、

「魅力的、個性的、華あり癖あり、美しくかつ化け物度も高い布陣」とのこと。

看板に偽りなし、です。

そんな「かいじゅうたちのいるところ」もとい稽古場の様子を、今後も定期的にこちらのBLOGでアップしていきますので、乞うご期待。

モスクワカヌ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月29日 (火)

私はモスクワへ行きたいんだがどうやら道に迷ったらしい。

皆さま、こんばんは。

外人にやたら道を聞かれることに定評のあるモスクワカヌです。

駅の場所を聞かれます。ホテルの場所を聞かれます。漫画喫茶の場所を聞かれます。

そんな私ですが、ええ、地図はまったく読めません。

今回の「三人姉妹」、固定稽古場での稽古が始まるまでは、日にちごとに様々な場所で稽古を行うのですが、私のような人間にとって、初めての稽古場なんてまっすぐ辿りつける気がしないわけです。そしてそんな気は気のせいではなく、7割の確率で現実のものとなります。

7割・・・・。

私が打者ならドラフト指名確実です。

しかし私は打者ではないので、誰からもスカウトされぬまま一人、グラウンドに佇むのです。

そう・・・・・見知らぬ学校のグラウンドに。

おかしい・・・・私は下高井戸の会議室に行きたかったはずなのに・・・・。

どうみても学校。敷地内。走る野球少年。「いい笑顔みせたいかーっ!!」って、コーチに活いれられてる。

混じれない。私のいるべき場所、ここじゃない。

自力での努力を早々に放棄し、学校の事務員さんに道を聞いてみる。

しかし教えられたそこは、目的地とはまた別の集会所・・・・。しかし受付のおばさんが親切な人で、会議室への道のりを、それは丁寧に教えてくれる。

私「ありがとうございます。助かりました。」

おばさん「大丈夫?ここから歩いて5分くらいだけど、わかるかしら?」

私「5分なら大丈夫です。」

おばさん「本当に一人で大丈夫?きをつけてね?」

私「はい。だいじょうぶです。ありがとうございます!」

おばさん「お外はもう暗いからね?」

私「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

おばさんの優しさをふりきり、夕闇せまるなか会議室を目指す私。

おばさんっ・・・大丈夫っ・・・・!

私っ・・・・私っ・・・・アラサーだから・・・・・・!

ほぼすっぴんでも、大人だからっ・・・・・!

お外が暗くても大丈夫だからーーーーー!!

その時であった。

「ちょっとすみません・・・・。」

見知らぬ女性があらわれた。

知り合いかしら?でもどうみても見覚えがないのだけれど、私のことだからきっと私が忘れているのだろうと思って足を止める。

「あの・・・・☐□にはどう行けばいいんでしょうか・・・・?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

さまよいびとよ・・・・今この時この場所で、君がけして頼ってはいけない人物がいる。

それがこの私だ。

犬をつれて散歩している明らかに地元の人がいきかう中で、何故私を指名するのか。してしまうのか。或いはされてしまうのか。私が悪いのか。

「すみません・・・・私も迷ってるんです・・・。」って、

思ったより言いづらいよ?!言ったけど!

「三人姉妹」の戯曲の舞台であるロシアの某県庁所在地をチェーホフは明らかにしてないのですが、距離的には東京から、北海道のはしっこくらいまでらしい。

今の時代の私たちなら、行って行けない距離じゃない。もちろん、チェーホフの時代の人々にだって。桃源郷のような夢幻よりずっと近いところ、手を伸ばせば届く場所に、憧れのモスクワはあった。

彼女たちの目指したモスクワ。

「三人姉妹」の稽古は始まったばかり。明日も読みあわせです。

モスクワへ!モスクワへ!

千里の道も一歩から。

とりあえず、駅から徒歩8分の稽古場に迷わず到達することから私は始めたいと思います。

Sannninn_3後列左より、河内大和、杉浦大介、吉木遼、斎藤穂高、堀文明、杵鞭麻衣、

前列左より、小栗剛(qui-co.)、竹中友紀子、藤尾姦太郎(犬と串)、石丸さち子、飛鳥井みや、朱永菁

渡辺樹里さんもいらっしゃったのですが、先に帰られたので写真とれず。残念。

今後も定期的に更新していきますヨ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月28日 (月)

予告編。

皆さま、初めまして。こんばんは。

このたび「結婚披露宴会場で演じられる三人姉妹」に、演出助手として参加します、稽古場日誌担当のモスクワカヌと申します。

座右の銘は、「カレーは飲み物」「腹八分目、それすなわち空腹」です。

今後、こちらのBLOGで、「三人姉妹」の稽古風景、その他もろもろ、綴っていきたいと思います。以後お見知りおき願います。

ちなみに今日の稽古で得た最大の収穫は、

茨城県は、「いばらぎけん」ではなく「いばらきけん」。byいばらき県出身の出演者・小栗剛さん。

モスクワ、かすりもせず。

演出の石丸さんの「いばらぎ」呼びに、早撃ち0.3秒の某ガンマン並の速さで訂正をいれた小栗さん。彼はその時、確かに人殺しの目をしていました。今日の稽古に参加した出演者は終生、「茨城県」を「いばらぎ」と読むことはないでしょう。

茨城・・・・それはローズ・キャッスル。

茨城・・・・それは多分、栃木のとなり。

茨城・・・それはあくまで「いばらぎ」ではなく「いばらき」。

でもこのBLOGで今、「いばらぎけん」って入力して変換かけたら、普通に「茨城県」ってでてきました。

今、世の中に裏切られた思いでいっぱいです。

三人姉妹も、こんな感じで人生に幻滅し、見果てぬ夢、モスクワを目指したのでしょうか・・・。これから出演者スタッフ一同、まだ見ぬ本番に向けて旅立ちます。

劇中のごとく、幻で終わらせないモスクワへ!本番へ!

今後の道中、定期的に記事にしていきますので、見守っていただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

モスクワカヌ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

始まります。

結婚式場で演じられる「三人姉妹」、稽古が始まりました。
演出家の石丸です。

これから、演出助手のモスクワカヌさんが稽古場日誌を書き留めてくれます。
わたしは、彼女の文章の大ファンなので、どんな言葉で稽古場が、俳優の格闘が、綴られていくのか、楽しみでなりません。

どうぞ皆さん、お楽しみくださいませ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

トップページ | 2012年6月 »