「三人姉妹」出演者紹介 ~杉浦 大介 編~
今回の出演者紹介に登場されるのは、杉浦大介さん。
杉浦さんは劇中で、詩人レールモントフに傾倒し、周囲からやや(?)ういている「ソリョーヌイ」という名前の軍人を演じます。
杉浦さん自身の格好よさと、「ソリョーヌイ」のクールな二枚目キャラもあいまって、稽古場でも涼しげな佇まいでいることが多い大介さん・・・・・と思いきや、ふと気付いた時に、共演者の小栗剛さんや河内大和さんと、「小四ズ」のような絡み方をしているときもあり、油断なりません。小学生男子のようなイダズラを、実に楽しそうにしておられます。
そんな杉浦さんが演じる「ソリョーヌイ」というキャラクター。一言でいうなら・・・・ツンデレ?(※1)それも、
「べ、べつにあなたのことなんか好きじゃないんだからねっ!」
的な、昨今世間でもてはやされるオーソドックスなツンデレではなく、
「好きだけど、別に好きになんかなってくれなくていいんだからねっ!」
という、ひねりの効いたツンデレ。しかも好きな女相手に、
「あらゆる聖者の名にかけて、あなたに愛される男を僕はぶっ殺す」と発言するヤンデレ(※2)でもあります。
※1)ツンデレ・・・、「ツンツンデレデレ」の略で、キャラクターの形容語のひとつ。「普段はツンと澄ました態度を取るが、ある条件下では特定の人物に対しデレデレといちゃつく」、もしくは「好意を持った人物に対しツンとした態度で天邪鬼に接するような人物、またその性格・様子をさす。
※2)ヤンデレ・・・、キャラクターの形容語の1つ。「病み」と「デレ」の合成語。好意を持つ、あるいは交際相手への愛情表現の異常な度合いがファンの間で好まれる。
つまり、
「僕は君のこと好きだけど別にきみは僕のこと好きじゃなくてもいいよ。ただ君が誰かを好きになったら僕はそいつをぶっ殺すけどね☆」
ということです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・どうしろと。
実は私、ごくごく個人的に、「三人姉妹」の登場人物のなかでは一番ソリョーヌイにシンパシーを感じています。ソリョーヌイに対する思い入れだけで戯曲が一本書けそうな勢いです。
前回の出演者紹介でご紹介した小栗剛さん演じる「トゥーゼンバフ」に、人前でしょっちゅう突っかかる「ソリョーヌイ」ですが、きっとこの難しい性格のソリョーヌイに声をかけて、最初に三人姉妹のいる家に遊びに誘ったのはトゥーゼンバフだったんじゃないかと想像しています。ツンデレなのできっと迷惑そうな顔をしたでしょうが、うれしかったんじゃないでしょうか、ソリョーヌイは。トゥーゼンバフはソリョーヌイを「憎めない人だ」といい、ソリョーヌイもトゥーゼンバフに「反感をもったことはない」と言う。
けして憎しみあっているわけでないこの2人の結末も、やるせないものがあります。
それもこれも、ソリョーヌイがツンデレでヤンデレだったせいです。
それにしても、クールな二枚目かつヤンデレ風味のツンデレって、現代日本において主に2次元方面のあるジャンルにおいては、かなり需要の高いスペックではないでしょうか。
もしも「三人姉妹」がライトノベル化とか漫画家とかしてキャラごとの人気投票をしたら、きっと上位に食い込むタイプのキャラクターだと思います。
100年前に現代日本の流行りを先取りしていたのみならず、一捻り加えたキャラクターを創造していたとは・・・・チェーホフ。恐るべし。
本番では皆さまどうぞ、杉浦さん演じる「ソリョーヌイ」のツンツンデレデレ(?)ぶりをお楽しみください。
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