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2007年7月

2007年7月 3日 (火)

ロシアン・ダイアリー

昨年10月7日暗殺された、アンナ・ポリトコフスカヤ氏の遺作が刊行された。
2002年10月、ノルドオスト上演中の劇場が占拠された時、わたしはモスクワにいた。劇場に足を運び、芝居を観るためだった。占拠事件の起きた日、わたしはすぐ近くのタガンカ劇場で芝居を観ていた。
12日間の滞在予定の2日目に、この事件が起き、わたしの観劇旅行は劇場占拠事件を目の当たりにする旅になった。
現地にいると、規制された報道の向こうに、多くの矛盾と虚偽が隠れているのは明らかに思えた。
 
帰国してから、わたしはチチェンとロシアについて調べ始めた。
そして、チチェンの過去現在は、わたしが世界の不幸を思い考える時の、扉になり窓になった。

その扉の向こうに、アンナ・ポリトコフスカヤ氏はいた。
わたしの人生では持ちえない、「勇気」をその身にたたえたジャーナリストは、チチェンとロシアを巡るいくつもの不正に、その身とペンだけで戦いを挑んでいた。
彼女の既刊で、わたしは劇場占拠事件の真実の多くを知ることになった。

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不正に対し、黙する人は多い。そして多数の黙する人間の力は巨大だ。

黙さないで、一人で語り続け書き続けるその力を、微かなものと見るか、巨きなものと見るか。
答えは、彼女を暗殺した者、暗殺させた者たちが知っている。

今はただ、読み進めよう。彼女の怒りと嘆き、その戦いの軌跡を。


 

 

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