訃報。
川村カオリさんが亡くなった。
面識があったわけじゃない、
長くファンだったわけでもない、
それでも、悲しい。
昨日、竜巻のニュースを見ながら、
ぼんやり、死にたくないと思った。
夜更け、明け方には、
祈るように死にたくないと思っていた。
そんな翌日、
どうしても死にたくなかっただろう、
人の死を知る。
彼女のブログに、
わたしが敬愛するタゴールの詩が紹介されていた。
危険から守り給えと祈るのではなく、
危険と勇敢に立ち向かえますように。痛みが鎮まることを乞うのではなく、
痛みに打ち克つ心を乞えますように。人生という戦場で味方をさがすのではなく、
自分自身の力を見いだせますように。不安と怖れの下で救済を切望するのではなく、
自由を勝ち取るために耐える心を願えますように。成功のなかにのみあなたの恵みを感じるような
卑怯者ではなく、失意のときにこそ、
あなたの御手に握られていることに気づけますように。(ラビンドラナート・タゴール『果物採集』より 石川拓治訳)
あまり、言葉を発したくない夜だ。
明日になれば、稽古が始まって、
わたしはこれでもかと言葉に頼り、言葉で人を導く。
でも、タゴールの或る詩によって、
いつも自分を見つめ直すことになる。
仕事に疲れると、いつもこの短詩を思い出すことになる。
死んだ言葉の塵がお前にこびりついている
沈黙によってお前の魂を洗え。(山室静 訳)
黙して、祈ろう。