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2009年9月

2009年9月29日 (火)

今週は……。

宅内作業日。
普通ならOFFと呼んでもいい、外仕事がない日だが、日がな一日Macの前に座って、キーボードをたたき続け、プリンターの音を聞いて、メールを送信しまくって、一日が終わった。
孤独。
悪い意味ではなく。

この孤独が、稽古場で一気に他者との共有へ広がると、なんとも言えない多幸感に包まれるのだが、共有できない時は、もう瀕死の状態で遠征地から帰る。

瀕死の週末を過ごし、さて、今週は。
スケジュール表、色分けするのもどうかと思うようになった。
色、多過ぎ。
どの日もどの日も、午前/午後/夜とどの枠も埋まっている。
……家人にずっと食事を作ってあげられない。困った。

2009年9月24日 (木)

がっかり。

稽古は楽しい。
が、ちょっと過度だと、困ることも。
まず、芝居を観にいけない。
今も、どうしても観たいものがあるのに、スケジュールが調整できない。
カレンダーを眺めてうんうん唸っても、時間は生まれない。
パンパンだ。
あと、買い物ができない。
情けないくらい服を買っていないな、わたしは。
夏の初めに、30分で高額衝動買いを伊勢丹でして以来、一切。
家人の食事が作れない。
家人と一緒に食事ができない。
これは困る。とっても困る。人生損した気分。
……でも、稽古が楽しいから、仕方ない。
一度にあれもこれもは無理ってものだ。
やがて来る本番の時間と、稽古のために、
わたしはたくさんのものをあきらめている。

ただ今日のPOLYPHONICみたいに、
生徒にがっかりしたり寂しい思いをさせられたりすると、
もう、心も体も、塩をかけたなめくじみたいにしぼんでしまう。
今日の稽古で出来ることは明日では出来ないというのに、
どうして彼らは……。
さんざん活を入れたから、明日に期待するものの、
今日の稽古時間は、もう戻らない。

……がっかりしたり、寂しいときの、
ほんの小さな慰め。
マトリョーシカペンケース。
このところの、わたしのお供。

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2009年9月23日 (水)

浄化の涙。

わたしは、あまり泣かない。
若い頃に、ちょっと泣きすぎたからかもしれない。
だいたい、自分の涙が嫌いだし。

昨日、今日と、稽古でたくさんの女性たちが涙を流した。
感動したり、追想したり、悔しかったり、嬉しかったり。
物語を通じて、たくさんの涙がこぼれた。
台本を書いた当のわたしがびっくりするくらいに。

人の涙を見て、
悪くないなと思う。
へそまがりのわたしが、ほろりとする。
涙が、10代から70代までの女性を浄化していく。
その瞬間が重なっていく様に。
この、わたしみたいなへそまがりをも素直にさせる浄化作用が、
観客にもそのまま伝わりますように。

***

明日は、気分を変えて、久しぶりのPOLYPHONIC。そして、G-Rockets。
準備は万端。

2009年9月22日 (火)

返事というもの。

稽古をしていると、
一日の偉大さに驚いたり、
一日の無力さを嘆いたり、
いろいろ。

すっげぇ勢いで稽古している。
一日は、稽古しているか、移動しているか、寝ているか、だ。
何度かの短い休憩で摂る食事は、幾つかのおにぎりだったりする。

そんな時に限って、
返信しなければいけない、
返信しておきたい、
メールがたくさん届いていたりする。
留守電が残っていたりする。

ただ、ようやく家にたどり着くと、
どうにもこうにもわたしは抜け殻で、
ちゃんと言葉が選べない。

返事するというのは、
相手のことを考える時間を持つということだから、
いい加減じゃいけない。
単なるTO DOのひとつじゃあない。
だから書けなくっても、考えよう。

今日、わたしにご連絡くださったすべての方々、
ごめんなさい。
イシマルは、明日の稽古のために、
返事をしないまま寝みます。

2009年9月20日 (日)

4連戦いや5連戦。

土曜日から火曜日まで遠征稽古。
水曜日はWSと10月中旬の本番目指して2本立て。
ノンストップだ。
この遠征ってところが、どうも、やっぱり、問題。
深夜帰りで6時半起きは、なんとも。
いや、でも。
かつて初日を開ける前に、幾夜も眠れなかったことを思えば、楽なものだ。
楽だと思えば、なんだかたくさん稽古できて嬉しくなってくる。
こういう時、単純な自分でよかったと思う。
ん?
でも、スケジュールを見ると、11月の2日まで休みはなさそうだ……。
でも、いいか。
演劇まみれで。

2009年9月14日 (月)

善き人のためのソナタ。

ベッドと移動中のビデオ鑑賞。
邪道だと思いつつ、やめられない。

「善き人のためのソナタ」
音楽の力。
言葉の力。
政治的事情の前にあっては、無力の歴史を刻んできた芸術が、小さな奇跡を起こす。
世界を変えるのは、芸術ではない。
芸術を生む人間であり、
その芸術を享受する人間であり。
そして、ラストシーンは、ひとりの人を慰撫する芸術は世界をも慰撫することを教えてくれる。

邦題は、おそらく「よきサマリア人」の話をもじっているのだろうが、あの単純なたとえ話は、この映画にふさわしくない。
大きな意味を持つ、ソナタの曲名をタイトルにするのは悪くないのだが、実際に「Die Sonate vom guten Menschen」という曲名は、聖書を連想させるものなのか?
残念ながらドイツ語に疎い。
原題は直訳すると、「他人の生活」だそうだ。

2009年9月13日 (日)

そんな午前4時半。

稽古の余韻で興奮している。
ベッドに入ったものの、明日の稽古のことを考えて、また興奮してくる。
明かりをつけて、ベッドを抜け出し、また両手を机の上に置く。
一太郎は開かず、台本に直接手をいれる。
もう、今から家を出て、稽古場に行きたい。
そんな午前4時半。

2009年9月12日 (土)

ИТАЛЬЯНЕЦ

邦題、「この道は母へとつづく」。
原題直訳は、「イタリア人」。
孤児院の少年にイタリア人の里親が決まる。
それは、暖かい住処と食べ物に困らないということ。
この話が決まってから、「イタリア人」と呼ばれて同じ境遇の子どもたちから羨望のまなざしを受けるワーニャだが、彼は本当の母に会うことをあきらめることができなかった。

「父帰る」と並んで、ロシア映画に出てくる少年は、どこまでも逞しく、愛を求める力の強いがゆえに、誰の助けも借りずに大人になっていく。古くは、タルコフスキーの「僕の村は戦場だった」にも、「アンドレイ・ルブリョフ」にも、こんな少年たちが生きていた。

求めよ、さらば与えられんを、小さな心と体で体現したワーニャの、母と邂逅する際の顔が素晴らしい。
何の説明もない。そこにただ少年がいて、何も演出されない。日本映画ではほぼありえないことだ。

文学、演劇、映画と、わたしを魅了し続けるロシアは、それと同時に混迷の国でもある。
アンナの後も、ジャーナリストが、弁護士が、人権活動家が、暗殺され続けている。
なんという国だ。
……米原万里さんが、もし少し生きていらっしゃったら、どうおっしゃるだろう。

2009年9月10日 (木)

稽古場。

今日は二カ所で延々稽古の一日。
机の上での読解作業は、稽古場で戯曲を読み解く作業に、簡単に覆される。
そして、その喜び。
稽古場にいる限り、わたしはまだ大丈夫だ。
嬉しい幻想、あるいは遅れてきた仄かな自己信奉。

G-Rocketsの稽古場は、2月を思い出させる。
ACCIDENTSの日々。
稽古を見てくれていたGのリーダー山中陽子嬢も、同じ風景を思い出していたらしい。
泣いたシズカ、泣いたリサ、泣いたクミコ、泣いたアスカ、泣いたヨーコ。
なんだ、わたしは泣かせてばっかりじゃないか……。
だって、それはACCIDENTSだったから。
今日は笑いの絶えない稽古場。
昨日より、確実に一歩先に進んでいる、生きてる時間。
とにかく、稽古場が好きだ。
そこに生きようとする俳優たちが好きだ。
ずっとここにいたい。

2009年9月 8日 (火)

楽譜。

二桁に達してしまったTO DOリストの期限切れ期限間近項目を、
ラストワンまで減らす一日。
順調。
仕事ばっかりしている中で、いちばん苦にならず楽しいのが、
楽譜と向き合っている時。
今日もずいぶんFinale作業したが、やはり楽しい。
作曲家からもらった宝石を手のひらでころころ転がしているような気持ち。

写真は、メリホヴォにあるチェーホフ宅のピアノ。
いつかこのベヒシュタインを家で鳴らして暮らしたい。
……夢だな。

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2009年9月 7日 (月)

疾走。

8月いっぱい、わたしは台本を書き、詞をあげ、作曲家はわたしのあれやこれやの注文にイヤな顔ひとつせず、ものすごいスピードで曲をあげてくれ、5日に満を持して稽古初日を迎えた。
地方で2日間の公演では、あまりにももったいない、名曲があがっている。
でも、難しい。
歌えるのか?
年齢層の高い女性が中心に支える、1時間50分のノンストップ。
みんな集中力が持つのかしら?
しかも、出演者が全員、それぞれ仕事や家庭を抱えているから、稽古場に全員が揃って稽古できるのは、本番の前日が初めてという集団。
それでも、いいものを作るための、もろもろの作戦。
友人であるプロの女優に、助っ人を頼んだ。頼もしい人を。
POLYPHONICの生徒に、演出助手を頼んだ。彼女は俳優なのに……。
色んな人を巻き込んでの、疾走開始。

POLYPHONICの方も、半年間がもうすぐ終わる。
1年でどれだけ変われるか、この中だるみ時期の過ごし方がきっと大事。

G-Rocketsの稽古もいよいよ明後日からで、楽しみ。
来年の企画も、少しずつだが進んでいる。

疾走を続ける。
過酷なスケジュールを知っている人が、ものすごく心優しくわたしの体調を心配してくれるが、なんというのか、体調が悪くなる気がしない。
無理を重ねた30代からの暮らしの中で、留意すべきことは分かっている。やばい時は、大体、からだの方から信号を送ってくれる。
この元気は、しばらく止まる気がしない。
あまりによく食べるので、ずいぶん太ってしまったけれど。
でも、昨年ストレス(としか考えられない)で心身に変調をきたし、体重が10㎏も落ちて動けなくなった時、眠れなかった時、仕事を降りた時のことを思えば、よくぞここまで来たものだと思う。
どこか、斜め上方から、誰かが見守ってくれているんだとしたら、深々と頭をさげてお礼を言いたいな。


2009年9月 2日 (水)

書き上げる。

ミュージカル台本、第一稿があがった。Photo

8月いっぱい、寝ずに書いていたので(寝食の食はたっぷり摂っていた)、書き上がったら相当うれしいだろうと思っていたのに、なんてことなかったな。
あ、最後までいっちゃった、これ、いい終わり方だな、なんてしみじみしただけ。
それにしても、ラストスパートが凄かった。
昨日、若き演劇人たちに刺激されたからか。

明日から、少し楽な気持ちで生きていける。
これ以上つまらない本になることは絶対ありえない。
この骨子に、稽古場でどんどん肉をつけていくのだもの。
でも、欲張って肥え太り過ぎないようにしなければ。

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