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2010年9月25日 (土)

文学に、ありがとうと言う。

「悪魔の絵本」は、愛の話であるとともに、
作家の話だ。
書くことについての話だ。
文学への愛憎についての話だ。

***

わたしの母の話を少し。

小さい頃に父を喪い、5人兄弟の長女として育った母は、
若い頃から祖母と二人三脚で一家を支え、
本を読む暇などなかったと言う。
音楽を聴く余裕などなかったと言う。
そして、わたしがおなかの中にできた時、
子供には、本を読んだり音楽を聴いたりさせてやりたいと願い、
胎教に、子供文学全集を買って読み始め、
カルピスのおまけでもらった名曲のソノシートを聴き始めたと言う。

で、わたしは、生まれ、
子供文学全集をすぐに読み通して次をねだったし、
ありがたいことに、小さい頃から音楽の喜びを知っていた。
わたしに才能があるかどうか知らないが、母はよく言った。
「あんたの才能、全部ママの胎教のおかげやで!」

それからずっと、文学と音楽に支えられて生きてきた。
救われ、癒され、力づけられた。
こと文学に限って言えば、
心底辛いときには、必ず、その時に読むべき本と出会ってきた。
これはもう、愛してる者の、特権と言うべきか。
必ず、出会ってきた。

文学に、いつも、ありがとうと言いたかった。
そして、今、
作家の話なのだ。
書くことについての話なのだ。
文学への愛憎についての話なのだ。
舞台を通して、
谷さんの言葉を得て、
愛すべき俳優たちの心と体を借りて、
わたしはやっと言えるかもしれない。
「ありがとう」と。

***

今日は稽古休み。
で、稽古場で主人公である作家の書棚を作る。
1日かけて。
これは、本当にわくわくする作業だ。
ずっとやっていてもいい、と思う。
そして、ずっと眺めていたい。

家に帰れば、主人公の著作のブックデザインをする。
これがまたわくわくする。
文学愛、爆発。
文学オタクは眠るのも忘れて架空の書籍を妄想する。

ああ。

文学好き、みんなに見てほしい。
これ、とんでもなく、文学の話だから。


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