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2010年10月13日 (水)

夢から醒めない。

愛すべき人たちと走り続けた、美しき公演が終わった。
わたしの耳の中には、まだコダーイやサラサーテの劇中曲が聞こえているし、
廃棄されずに家に運び込まれた、瀬田の原稿やら床面のベニヤは、舞台そのままの匂いを発していて、わたしはまだ夢から醒めない。
ベランダでは、また次のファムファタールを生み出すために、冷蔵庫が一時の眠りについた。

わたしには、まだ膨大なプロデューサー業務が残っている。
公演の総括には、まだ時期が早い。
愛する俳優たちは、もう次に向けて走り出しているんだろうな。
わたしは、もう少しここにいて、
この公演が何であったのか、何で出来ていたのか、
ゆっくりと考えて、次を探す。

Theatre Polyphonicと、また次の観客との幸福な出会いを願って。

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写真は、書痙になってからの瀬田賢二(田村真)と吉岡(田中里枝)。

瀬田賢二は、谷賢一しか生み出せなかったし、
わたしが彼に戯曲をオファーしなかったら、
この男が生まれることもなかった。
谷さんに、夜を徹してラブレターを書いたのが、昨年の6月。
それから1年と4ヶ月。
生まれてから、消えるまで。
演劇は果敢無く消える運命だけれど、
谷さんの文字は残る。

すごく谷さんに会いたいのだけれど、
わたしはまだ声をかけられずにいる。
公演の時間が終わるとともに、
彼が失踪してしまったような錯覚に陥っている。


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