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2011年11月19日 (土)

恵み。

来年の仕事のために、ずっと聞き続けていた、楽譜を眺め続けていた歌は、こう歌う。
……人生は出会いと別れの繰り返し。突然、見知っていた世界は様相を変えて、ほんの一瞬で手にしていたものを失ったりする。風の流れが変わるだけで。すると、もう、そこは見知らぬ場所。すっかり世界の中でStrangerになって、また新しく、見たこともない場所を歩き始めなければならない。予期せぬ未知の世界でも、まったく無力でも、また歩き始める。信じる力さえあれば……。

この1週間で、わたしの人生の風向きが変わりつつある。
わたしは、すっかりStrangerな気分。
小さな手のひらの中に大事にしていたものも、指と指の間を、すり抜けていって、もう呼び返せなかったりする。

ただ、どんなことがあっても、幸い、信じる気持ちを支えてくれる恵みがある。

昨夜は、本棚を眺めた。
わたしの時間を支えてくれた物語の背表紙を眺め、
思いの深いものたちを一冊一冊取りだし、その時の「ありがとう」を思い出した。
わたしを元気にしてくれた食べ物たちのことも思い出した。
美味しい食べ物、わたしのエネルギーを作ってくれた食べ物たちの力は強い。
好きな食べ物の名前を口にするだけで体が少し温かくなる。
花瓶では、15日目のカサブランカが、15あった緑の蕾のうちの、13輪目を開こうとしている。
ここから、絡み合った花弁を開く時に、時々「カパッ」という色気のない音を立てるんだ。
これ、なんとも言えない、力。
あと、眠りという、休息と沈黙の力。
マクベスは眠りにも裏切られたけれど、
わたしは、まだまだ、しっかりと眠りに救われる。
人生の懊悩に関しては、ひよっこなのだ。

そして、あと2時間もすれば、わたしは稽古場に行く。
私塾の俳優たちが、来月の公演に向けて、熱い稽古を毎日繰り広げている。
わたしはその指針だ。
無理なんかしなくても、稽古場に行けば、わたしは元気になる。

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