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2011年11月24日 (木)

精一杯。

IN-Projectの最終日、中川君から届いたお祝いの花束に、カサブランカが入っていた。
その時には、15個の緑の固い蕾だった。
ほかの花たちが命を終えても、カサブランカだけは花瓶の中でつぼみを膨らませ、花開きつづけてくれた。
わたしも、何度となく水を替え、水切りして、彼らの生命力に応えた。
(あ、わたしは、何気なく彼らと呼んだ。彼女たちって雰囲気じゃないの、雄々しいの。開く時に、パカって、上品とは言えない音をたてたりするし!)
このところ、わたしの暮らしは、
心が揺れに揺れることばかり続いているので、
痛みの激しいことばかり与えられるので、
彼らの逞しさは、わたしの励みだった。
まるで、O.ヘンリーの小説みたいに、
「最後の一葉」みたいに、
わたしは、仕事机の横に置いた花瓶を眺め続けていた。
最後まで、15個めの蕾まで、どうぞ咲いておくれと、
わたしの目の中にずっとおさめて愛でてきた。

愛すれば通じる。
愛すれば、通じるって、なんて素敵。

頂いてから19日が過ぎ。
今日、最後のつぼみが、精一杯の力でほころんでくれた。
それまでの、さくさくとした元気いっぱいの開き方とちょっと違っていた。
まだ、緑の濃い、大きさも未成熟な段階で、
彼は開き始めた。
自分の終わりを知っていて、
自分に残されたエネルギーの総量をちゃんと知っていて、
思い切って、成熟を待たず、開き始めた。
「精一杯」という言葉を、深く深く、想った。

大辞林をひいた。

せい[1]【精】
【1】(名)
(1)生物の根元にあるもの。たましい。精霊。多く人間以外の霊魂についていう。スピリット。「木の―」「森の―」
(2)生命の根本にある力。心や体に備わる力。精力。「―を入れる」「―がつく」「―も根もつき果てる」

精一杯。
何気なく使っているこの言葉に、たくさんの神秘や奇跡がつまっている。

===

今日も、精一杯仕事をした。そして、稽古も。
気持ちは安定せず、どこまでも、孤独。
でも、だからこそ、できる仕事もある。

とっても張りつめた状態で仕事をしているので、
稽古が終わってから、ふと不安になった。
わたしについてくる俳優たちが、演劇を楽しんでくれているかどうか。
……わたしがあまりに厳しいので。

毎日、俳優たちに、POLYPHONIC通信という連絡メールを出すのだが、
なんとなく、
「稽古、楽しいですか?
辛すぎたら、言ってください。
……わたしは口が悪いからね。」
と、結んでみた。本当に何気なく。

すると、何通か返事が返ってきた。
LOVEな返事。

ああ、「愛すれば通じる」が、
部屋の花瓶の中だけじゃなく、
稽古場にもあったんだと、
花たちみたいに、
わたし自身がほころんだ。

だから、わたしも精一杯生きる。

久しぶりに、精一杯部屋の掃除をして、
揺れる心を鎮めもした。

やっぱり、何も彼もを、信じよう。
まずは、愛して、そして、信じる。
これは、母に教わった、大事なこと。

そして、精一杯。

15th


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