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2011年12月23日 (金)

上を向いて歩こう。

もうすぐ、2011年が終わる。
いつの間にか、節電ムードは一掃され、クリスマスのイルミネーションは例年通り、あるところではセンス良く、あるところでは趣味悪く、とにかく、光を放っている。
忘年会の人々で東京は例年と変わらず賑わっていて。
街と人々の営みは変わらない。
それでいい。

かつて、戦争を「是」とした一部の人間の欲得を覆すのに、「非」と知らしめるのに、多勢の人間の人生が束になって損なわれることが必要とされたように、
わたしたちは、この人生が目に見えない汚染で損なわれていることなどものともせず、それぞれの人生を精一杯生きる。その束の力、束の不幸でしか世の中は変わらない。或いは変わらないかもしれないけれど、変わるとしたら、その人間のあらゆる普遍的な営みの力によってだ。

わたしは、今、この人生を精一杯楽しむことでしか、何かを証明できない。
作りたい作品を創ること。
仲間と過ごす時間を愛すること。
わたしの現在に特別な意味を与えてくれる他者を、渾身で愛すること。
食べ物に生かされていることへの感謝。喜び。
眠りの後の食べ物は、間違いなくわたしの原動力を作る。
家族や、親しい者たちと囲む食事は、なおさらだろう、その喜びは。

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先日、伊藤靖浩さんのSoloLiveに、わたしは、「上を向いて歩こう」を組み込んだ。
それは、3月11日以来、わたしが最も聴きたかった歌だったから。
そして、さらに言うと、日本が大きな問題を抱えている間に、わたしには個人的な大問題が起こっていて、その日々の辛さを思うたびに、この歌を思いだしていたから。
2009年の2月13日14日15日の間に、小さな黒い空間に零れてきた歌が忘れられず、その歌をずっと求めていた。
そして、2011年12月16日に聞けたことを、わたしの喜びとしている。

笑えない国の中で、
笑いながら歌うこと。
その美しさ。

上を向いて歩こう。
涙が零れないように。

この歌は、鎮魂歌だ。
2011年の終わりに、「上を向いて歩こう」と、誰かに歌ってもらうのが、わたしには必要だった。

2012年は、もっと、もっと、生きたい。


追記

ACCIDENTSを上演した、die pratzeから昨日メールが届きました。
来年の7月でマンションに建て替えるため、劇場を閉鎖するというお知らせでした。
ACCDENTSという大事な作品は、あの狭くて黒い空間とともにあった。
今日、またわたしの中に、「上を向いて歩こう」が、聞こえ続けた所以です。

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