動いている。いろんなところで。
そんなこんなで、わたしの周りでは、いろんな人生が動いている。
初日を開けるために獅子奮迅の働きをして、音楽の申し子から演劇の申し子に転身できそうな男がいれば、
今日初日を迎えた老人たちもいる。(加藤さんや上村さんを、わたしはとても老人なんて呼ばないけど、そういう触れ込みの集団ではある。)
稽古場でわたしの牽引になかなかついて来られず、迷いのど真ん中の駆け出し俳優がいる。
稽古後、彼の台詞覚えにつきあってくれた、心優しき仲間の俳優たちもいたらしい。
自分の心の闇とひたすらに闘う男がいれば、
心の闇、上等じゃないかと闘う女がいる。
あちらこちらで、初日を迎える準備の新しい仲間たち。
そして、演劇馬鹿でいると忘れてしまいそうになる、我が国の人たち、そのあまりにもいろんな人生。
今日もまた、1日が終わった。
劇場の下見に行き、来年のカレンダーを埋める。
予定の詰まった自分の年末スケジュールをにらんで、本を書く時間を捻出する。
どうぞ、再来年に繋がりますように……と。
わたしもまた、明日が見えないからこそ、明日のために今日の夜を過ごす。
今日の喜びのために過ごす、そんな夜が、もう少し増えてほしいが……贅沢は言うまい。
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