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2012年1月 1日 (日)

新しい年を迎えて。

新しい年を迎えて。
2012年1月1日。
実家の姫路を目指して、新幹線に乗っている。
車窓から差し込む日差しは暖かくまろやかで、たたいているキーボードに、光と影を分ける柔らかな線を落としている。
駅ビルでは、初売りの声が賑やかだったし、例年初詣に訪れる八幡様は、新年を祝う人たちで溢れかえっていた。神の住居の社は、ハレの日の照明に照らされていつもより朱塗りが艶やかに見えた。
街は、例年と変わりなく、生き生きと希望に満ちて新年を迎えたように見える。
冬の陽は街の輪郭をすっきりくっきりと顕して、潔い。
ただ、わたしの目の届かないところに、わたしの手の届かないところに、例年のように新年を迎えることのできない人たちがいるし、それに思いを馳せることは、いつだっていつだって、目の届かないことばかりの世界、手の届かないことばかりの世界に、自分は生きているのだと思い知ることだ。
でも、希望はある。
この小さなわたしにも、目の届く人たちがたくさんいる。手が届く人たちがたくさんいる。そこで、どこまで、この命を生かせるか。
そしてまた、表現の仕事をしているのだから、小さな世界を広げる可能性だってある。演劇という、あまねく知ってもらいにくい表現形態であっても、ある。
素人みたいな物言いだが、実際、歳遅くして独立してからのわたしは、自分の表現を身の回りにしか発表してこなかった。

今年の目標は、表現と幸福の飛距離を伸ばすことだ。

こうして書いているうちにも、関東地方で地震が起きたと知る。言葉は無力だが、言葉の力を忘れては何の表現もできない、わたしは。

昨日ね、初詣で、お決まりの場所ではお決まりのおみくじをひいたんです。大吉で、あまりにも素晴らしい言葉が並んでいて、「今年のあんたはいいよ~いいよ~、何やってもいいよ~あと足りないのは王者の風格だけだね」なんて書いてあって、笑えるくらいおだてられて、いい気分になりました。
わたしは基本、占いを信じない人なのに。……単純なものです。
自分のために、人のために、上手に言葉を使っていく。
これは、わたしの仕事ね。

そうこうしているうちに、実家に到着し、母の隣で書いている。正月に帰るなんて、もう、前はいつだったか覚えていない。正月はいつも仕事をしていたからなあ。
11月のINーProjectで、母の人生を語って歌ってから、ずっと会いたかった。隣にいると、それだけで、いい。
話したことをすぐに忘れちゃうので、別に何を話す訳でもない。父に近況を報告してから、母のそばに、ただ、いる。隣で、しばし嬉し泣きが続いたあと、にこにこして並んでいる。
幸せだ。
時間がゆっくり、ゆっくり、流れる。
この時間の中で、わたしを支えてくれる人たち、昨年出会った人たち、これから出会う未知の人たちを思う。

ありがとう。そして、今年もよろしくお願いします。

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