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2012年3月19日 (月)

自らのために二題。ピナと、3月11日と。

■「ピナ」を見る。
生きていること、存在していることの表明。
誰しもが持って生まれた、同じ体から生まれる表現は、時にぎりぎりまでそぎ落とされ、時に豊かに肉付けされ。時に孤独であることを潔しとし、時に他者と否応なくぶつかりあい、時に渇きを癒すように求め合い、時に幸福の輪郭を崩さぬように愛し合う。

これを見ながら、わたしは記憶庫にしまっていた言葉を激しく思い出していた。
秋元松代さんの言葉で、「これだけは言わなければ、自分の魂が滅んでしまうというようなことが、ひとつはあるでしょう? それを書けばいいのです」

でも、これはわたしの記憶違いだった。

わたしにはしょっちゅうあることだが、心を激しく揺すぶられた言葉を記憶庫にしまい込むうち、思い込みによる改竄を加えてしまうのだ。

原典を求めて、秋元松代全集を開いた。

正しくは、こうだ。
秋元松代さんが、生きる方途に迷って、戯曲の師三好十郎さんを訪ねた時のこと。
師は言う。
「何か書いて来てごらん」
秋元さんが言う。
「戯曲は書き方も知りませんし、書こうという気持ちも本当はないので、何を書けばいいのでしょうか」
師はこう言った。
「小学校時代に作文か童謡を書いたでしょう、原稿紙に二枚か三枚でいいのです。ただし、あなたがこれだけは、ぜひともいいたい、それをいわねば、あなたの精神の大切な部分が亡びてしまうと思うことが、一つはあるでしょう。それを分かりやすく、誰か一人の人に話しかける気持ちで書けばいいのです。」

……言葉の主は、秋元先生ではなく三好十郎で、言葉自体ももっと柔らかかった。

でも、わたしはこれからも、人生を賭けて表現し続けることを選んでいる女性に会うたびに、きっとこの言葉を思うだろう。
これを言わなければ、自分の魂が滅んでしまう……それを表現すること。


■3月11日、1回限りの公演が終わった。
東京芸術大学のローラン・テシュネさんが主宰するアンサンブル室町の演奏と、ジャン・コクトーの「エッフェル塔の花嫁花婿」のコラボレーション。
二人の作曲家が書き下ろした、西洋古楽器と和楽器のための現代音楽の中に、俳優の身体と演劇的な遊びを駆使した演出で、荒唐無稽な前衛劇を組み込んだ。
これがどうやったら面白くなるんだ? と問いたくなる戯曲を、びっくりするほど面白くできたことに、ちょっと自負を覚えている。
いや、いや、それより何より、わたしのインスピレーションを刺激してくれた俳優たちに、感謝をすべきだろう。彼らがいなければ、あの演出もあの公演もなかった。
俳優と演出家がタッグを組んで、幸福な偶然を呼び込み、丁寧に磨きをかけていった、そんな稽古だった。
3月11日に公演するということに、抵抗はあった。
作品の質から言えば、別にその日に拘る必要もないように思えたし、その日に合わせて創っていくつもりもなかったからだ。
これは、出演を決めた時の俳優たちも同じだったらしい。
でも。
本番を直前に控えて。
わたしも出演者も、心ひとつに、この作品をこの日に上演できる喜びを噛みしめていた。
劇場で今日も仕事をしているということ。
一心に、演劇のことを考えていられること。
目の前の舞台に心血注げる自分と仲間がいること。
元気であること。
観客が待ってくれているということ。

黙祷の時間は、客入れ中の袖で迎えた。
上手の一袖から客席をこっそり見て、暗みに戻ってから目を瞑った。
一緒にはいなかったけれど、出演者たちもそれぞれ、袖を選んでいたらしい。

モスクワに行った時、タガンカ劇場で観劇中に、隣町で、劇場占拠テロという悲劇が起こった。
あの時の、「わたしは一生劇場で働こう」という決意を思い出す。
3月11日は、静かに、自分の奥深くに沈潜していくような、再認識だった。

この機会を与えてくださったテシュネさん、
この上演を誰より喜んでくださったテシュネさんに、
心から感謝する。

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コメント

こんにちは、小林クンです。

タマに見させてもらってるんだよ。 全然変わって無いじゃん!

向こうから歩いてきたらオレは分かるけど、石丸さんはオレのこと分からないかもね。 スポーツ刈りで髭面だし、中年の魅力満載だぜ。

老眼、腰痛、ひざ痛、ひじ痛、etsと闘いながらガテン系してます。

写真を見たら懐かしくなってコメントなるものをさせてもらいました。

ではでは

あああああ、小林クンだ!
あああああ、一気に高校生時代を思い出す!

また会いましょうよ。
お互いすっかりいい歳だけれど、
わたし、会ったら、あの頃の気分になると思うよ。
まあ、普段から、年齢など忘れて生きてるわたしですが。

よかったら、直接ご連絡ください!

小林クンです。

今朝返信したつもりだったんだけど、つもりなだけだったみたいだわ。

良かったら、直接連絡するところを上記のアドレスにでも入れてみて下さい。

しかし、返信したつもりだったんだけどなあ。 オジサンはしょうがねーな!

小林くんへ。

ん? 
ん?
上記のアドレス?
ないなあ……上記のアドレス……。
わたしが、今回はリンクしておきましたので、こちらから返信してください!

あらら。
アドレス、反映されませんね。

コメント欄の上にメールリンクを出しておきました。
こちらからどうぞ!

小林クンです。  

わかんないぜ! デジタル世代じゃないぜ(泣)
(ウェブ上には掲載しません)ってところに入力したんだけどさ。

ウェブ上に掲載、上等!

tatuotoko0406@yahoo.co.jp  です。

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