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2013年6月

2013年6月19日 (水)

きもち。

あさっての早朝、日本を発つことになっている。

あと残り1日。
私塾を開設して5年目を迎えているが、今回初めて、長い休みをとる。
本当にわたし個人だけで教えている私塾なので、わたしがいなければ基本休みなのだ。
いつも公演の時は、昼間私塾、夜公演稽古という風にしているので、公演前の追い込みまでは休むことがなかった。でも、今回は日本を離れてしまう。
今日は休み前の最後のレッスン。
新人中心の稽古が続く中。
「テネシーの女たち」の本番以来休んでいた齋藤穂高が、久しぶりにやってきた。
今、男性は「ジュリアス・シーザー」の中のアントニーの有名な演説シーンをテキストにしているのだが、この長い長い台詞を、ほぼ完璧にいれてきていた。役作りにはいろいろ問題があったものの、その努力は素晴らしかった。シーザーの遺体を前にして、初立ちから目を赤くしていた。
ああ、成長したんだなという実感があった。
稽古が終わる頃に、ふと稽古場の後ろを見たら高木拓哉がいる。
稽古場を出ようとしたら、間宮あゆみがやってくる。
二人とも、稽古には出席ではないのに、わたしに会いに来てくれた。
ごはんでも一緒に食べたかったけれど、わたしは区役所に時間外でアポをとっていたので叶わず、雨宿りしながら立ち話をした。
そして、あゆみがわたしに、「きもち」と書いてある封筒を渡してくれた。
一期から五期まで、新旧の私塾生に連絡をとってくれて、わたしに餞別をくれたのだった。その「きもち」にくらくらした。
「きもち」という封筒に、私塾にまつわるあらゆる記憶が蘇った。そこには懐かしい名前がいっぱいあった。
……ありがとう、みんな。
「きもち」に支えられている。
それは、わたしの「きもち」から始まったものでもある。
でも、わたしの愛し方は激しすぎたりして、かなり問題がある。わたしという人間は欠点だらけだ。でも、いまや、長いつきあいになった教わる方がしっかりわたしの欠点も知ってくれていて、演劇に関わるわたしのいい部分を、大事にしてくれる。
やっぱり、彼らの「きもち」に支えられているのだと思う。
明日は朝から、お世話になっている人に会う予定。
「きもち」には「きもち」で応える。
わたしの「きもち」は、愛には変わりないけど、演劇であり、舞台だ。

2013年6月15日 (土)

NY公演"Color of Life”を知って頂く資料たち、まとめ。

先ほどの、NY公演サポートのお願いに関する、いろいろな資料をまとめます。
これから作る新作なので、作品自体を資料として提出できないのですが、宣材用に一部作品を公表してもいます。

◆Cloud Funding Indiegogoのページ
  ここに英語で、作品や出演者の概要を記しています。
◆NY公演サポートのお願い のページ
  日本語で、作品や出演者の概要を記しています。  
◆MITF(Midtown International Theater Festivel)のWeb Site
◆第14回MITFの出演カンパニーリスト
  日本からの参加は、わたしたちが初めてです。ABC順で並んだリストで "Color of Life"を探してください。ここからチケットも購入できます。学生$15 一般$18です。
◆作/演出 石丸さち子の公式Web Site
  石丸の、演出家の看板をあげてからの仕事が網羅されています。
  NY公演のためにたちあげた英語サイトは http://polypho.com/en/
◆石丸さち子 ブログ
  最近はFB一辺倒ですが、かつてはここに、毎夜演劇への思いを綴っていました。
◆作曲/出演 伊藤靖浩のブログ
  普段、音楽でしか自己表現しない、全身音楽みたいな彼が、珍しく言葉で、こ  のNY公演への思いを綴っています。
◆Musical "Color of Life"の公式Web Site
  いつもTheatre Polyphonicのフライヤー作成をお願いしているFran(杉崎壮一)さんが作ってくださいました。
◆わたしたちの上演劇場、Dorothy Strelsin Theatreの紹介ページ
◆出演者Yasuhiro ItoとShino Francesによる動画二本
  1:「IN THE DARK」
    (別れを間近に、お互いに言うべきことがあるのに、言い出せない。停電の夜、二人の思いが闇の中で零れ始めます。)
  2:「WHAT CAN BE DONE IN THREE MONTHS」
    (ビザが許す、三ヶ月の猶予期間があと一ヶ月になり、風変わりな恋人たちは、揺れる心を歌います。)
◆支援をお願いする、石丸・伊藤・Francesの動画(Indiegogoのために撮影)
 

NY公演サポートのお願い。再び。

6月20日の朝早く、わたしたち(石丸さち子、伊藤靖浩)はニューヨークに向けて日本を発ちます。

……あと、5日で出発。

12日の公演を終えてから、公演の後始末をしつつも、休まずすぱっと気持ちを切り替えて、ミッドタウンインターナショナルシアターフェスティバルでの「Color if Life」上演の準備に明け暮れています。<br>
稽古はNY到着後22日からですが、日本で終えておくべき仕事(資金の調達、NYでの宣伝)、一瞬でも急ぐ仕事(何より歌詞の調整・修正。そして、演出プラン)があまりにも多く、てんてこ舞いってのを演じながらも、クールにクールに、今この作品に必要なことを考えながら、過ごしています。<br>

今、わたしに最も必要なこと。
それは資金の調達です。

フェスティバル参加で劇場費が安くなり、現地のスタッフのサポートを無料で受けられるので、今回は、演出家と出演者、舞台監督の3人で渡米します。

ただ、NY在住の女優と英語公演のための稽古を現地で行いますので、滞在期間が長く、稽古場代、渡航費、照明・録音・スタッフのギャランティー等合わせると、200万円は少なくとも必要となります。本当に、最少限に見積もって……。

海外公演の助成等は、申請期間が短いため頼れません。無謀な計画と知りつつ、この公演の企画者石丸さち子と伊藤靖浩は、二人の力でこの公演を実現させようとしています。


47歳まで仕事をしていた蜷川カンパニーでは、俳優としてもスタッフとしても、記憶に残る海外公演を経験してきました。NYにも二度行きました。

飛行機に乗れて、贅沢なホテルに泊めて頂き、ギャランティーを受けていました。


でも、今回の公演は違う。


ほぼすべて自分で準備しなければならない代わり、

わたしの台本で、わたしの歌詞で、わたしの演出で、この2年の大事な相棒伊藤靖浩の音楽と歌で、上演できるのです。オフオフとは言え、ブロードウェイの劇場で、作品を世に問うことができるのです。


この歳になって、それくらいの金額を準備できないことを恥じつつ、その上で皆様にお願いします。

どうぞ、わたしたちに力を貸していただけないでしょうか?

長らく過ごした商業演劇の世界を抜け出して、演出家として5年、まだ駆け出しとも言える石丸からのお願いです。

行くことをきっかけに、これからどんどん作品を創りたいのです。

夢が叶った!と、その後潰れちゃうわけにいかないのです。


ご賛同頂けるかどうか、いろいろな資料を用意していますので、後ほどまとめてアップします。
こちらが、サポートのお願いのページです。


◎英語のClud Fundingページ


(ささやかな謝礼が用意されています。あと16日で、得られる金額が決定しますが、今のところ、目標金額の25%に到達したくらいです。)


◎日本語のサポートのお願いページ


(直接、この公演用に用意された口座に振り込んで頂くものです。)


サポートくださった方には、プロジェクトの進行、頂いた支援金の使途など、ご報告していきます。

ささやかな金額でも、たくさんの人に支えて頂ければ、 わたしたちには大きな力になります。


どうぞ、どうぞ、よろしくお願いします。

2013年6月 9日 (日)

「帝国の建設者」本番間近。揺れる毎日。

水天宮ピットに入って、「帝国の建設者」最後の追い込み。
追い込みとは言っても、まだまだ作ってる、まだまだ探っている。
初日は、もうぐったぐたに疲れてしまって、すぐ目の前にあるビジネスホテルに飛び込んで、自分の稽古と、演出の現在を考えて。
結局あまり眠らず。
翌日の初通し稽古を体験して、自分がとんでもない作品を創ってしまったことを実感。俳優への負荷が半端ない。
主演の菊沢将憲さんは、ものすごく穏やかな、静かな愛情を体にたくさん蓄えている人だから、今回の役どころは、本当に厳しいと思う。
現代人の罪をすべて担って、欺瞞と隠蔽と暴力で闘い、最後には頽れ、損なわれ、断罪される。こんなに辛い役も珍しい。そして、わたし自身の作品としても、こんなに社会的な糾弾をあからさまにするのも珍らしい。
自分の創ったものを、すべての人が喜んでくれるとも、分かってもらえるとも思っていない。
ただ、自分の観たいものを創れば、必ず、ともに揺れ、ともに震え、ともに喜んだり痛んだりする人がいる。必ずいる。
でも、そうじゃない観客にも、わたしは必ず、何かおみやげを用意する。
それは、一番に美しさ。次に、抒情だの、面白さだの。手触りのいいものも、ちゃんと用意する。すべての観客の現在に、ご来場ありがとうございますと言えるように。
でも、今回は、ひたすら厳しいです。
とにかく、戯曲を最初に読んだ時は、
原発と日本人の関係だけで読み取れてしまったんですから。
わたしは、そこに、夢をみる力、愛するものを守る力を用意しました。
その役を清水那保さんが演じます。
少女の柔らかさ純粋さで崩れゆく世界と闘う役を、懸命に模索しています。
……ここまでにしておきます。
是非、ご覧いただきたいと思います。
芝居のことばっかり考えて、帰路についたら、井の頭線の中に、Airと台本の入った大事なリュックを網棚に載せたまま降りてしまい、降りても仕事電話ばっかりしててしばらく気づかず……。
絶望の淵に一度立ってしまったものですから、渋谷駅で確保の連絡を受けた時は、なんだか逆にハッピーになってしまいました。
さて、明日も大変なリハーサル。
大事な大事な通し稽古。

2013年6月 3日 (月)

3ヶ月でできること。

7月16日、NYマンハッタンのDorothy Strelsin Theatreで初日を開ける
わたしたちの新作ミュージカル "Color of Life”
先日のリハーサルの後撮ったプロモーションビデオをもう一本ご紹介します。
"What We Can In Three Months" 1曲丸ごとのお届けです。


作詞でまずわたしが悩み……いや、作詞というより、台本の構成上、ここで何を書くべきか何を切り取るか、とても悩んだ作品。
2日ほど悶々と暮らし、本棚を何となく眺めていたら、スコット&ゼルダ・フィッツジェラルドの本が目に飛び込んできた。わたしたちのことを書けばいいんじゃない?って言われてる気がして、彼らの人生を再読。その後はスラスラと書きあげました。
作曲の伊藤靖浩さんは、驚くべきスピードで作曲をする人なのですが、この曲に関しては珍しく聞こえてくるまでに時間がかかったようです。
とても時間をかけて作ったこの歌、大事な1曲になりました。

現在、リハーサルを経て台本を再考、1曲をカット、新曲を3曲書き足す作業が進行中。そして、資金の調達にも、じっくり丁寧に、動いています。いろんな責任を感じながら。どうぞ、我々の公演にお力をお貸しください。
登場人物だけではなく、3月末にフェスティバル参加が決まってから、わたしも、「三ヶ月でできること」を模索しています。
こちらに、サポートのお願いをまとめてあります、是非ご一読ください。


さて。
英語上演されますから、今回、わたしの書いた日本語歌詞はお披露目されることがありません。
是非、凱旋上演として日本語&英語上演二本立てで公演をしたいのですが、まずはNYで初日を開けてから。一歩ずつ。
今日は、鑑賞のため、ここにご紹介します。
二人の言う「3ヶ月」は、観光客ビザが許す3ヶ月のことです。

"What We Can In Three Months "

幸せの重さって 何ではかるの?
一瞬の重み?
束ねた時の重さ?
幸せの最中にはかるもの?
幸せが終わった時にはかるもの?

「……3ヶ月。」

3ヶ月あれば 何でもできる
世界旅行 外国語の習得
映画の撮影 会社を作る
整形して別人に変身!

「……わたしたちの3ヶ月。」

1日目にして キスとベッド
2日目 NY制覇の散歩
3日目には またパーティー
毎日がお祭みたい!

寝た後で後悔した
男と寝た後悔じゃない
この人は大事 そう思ったから
大事な人とは すぐ寝るべきじゃない
このわたしが……らしくもない……

同じ悩みを持ってる
子供の頃はそれで愛せた
大人になるのは 複雑で嫌
大事な人だけど 一緒にはいられない
このわたしが……らしくもない……

スコットとゼルダは 幸せだった?
輝く日々
泡と消えるお金
踊り続けたダンスの酔い
飾る喜びの後にすべて喪った

お祭の後は寂しい
だからお祭って怖い
お祭が好き 生きてる感じ 
終わりがあるから 今が怖いのも本当
このわたしが……らしくもない……

台詞「……わたしたちの3ヶ月。もうあと1ヶ月の猶予期間。」

3ヶ月でできること
3ヶ月でしかできないこと
3ヶ月を4回重ねて1年
3ヶ月を20回重ねて5年
3ヶ月を40回重ねて10年

幸せの重さって 何ではかるの?
一瞬の重み?
束ねた時の重さ?
幸せの最中にはかるもの?
幸せが終わった時にはかるもの?

(男が部屋に入ってくる。)

  眠れない?

  ……

  じゃあ、僕も起きてていい?

(と、近くの椅子に腰掛ける。)

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