祭りの終わり。
深夜。劇場のロビーにいる。
すべてが終わって、打ち上げを終えて、それぞれが今日の寝床へ帰って行った。
この夏は「タールピット」がすべてだった。
窓を開けると、大阪はすっかり秋の風。
ずっと耳の中に、言葉と、歌が、聞こえ続けている。
しばらくは消えないだろう。
目に焼きついた、「整理する丹」の真剣な顔も茜の笑顔も、しばらくは消えない。
幸せ、なようで、とても虚ろなようで。
祭りの最中も、祭りの後も、皆、それぞれに孤独。
その孤独が集まって、人を揺るがすものが生まれる。
とすると、(劇中の丹のように整理すると)演出家というのは、出演者やスタッフを束ね導いていく仕事だから、人数分の孤独を背負い込む仕事だとも言えるだろう。
劇場の、深夜のロビーで、来し方を、様々に、思う。