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2015年3月26日 (木)

サンタ・エビータ 初日

初日を開ける前の演出家の気持ちは、どうにも説明しようがない。
居場所なく、劇場内をうろうろして、出産を前にしたお父さんみたいになる。
そして、作品が、一瞬一瞬、この世に生まれていくのを目撃する。
この10m×6mほどの場所に、夢を生み出すために注ぎ込んできた時間や愛情を、観客と共有していく瞬間が、積み重なっていく。
2時間の夢から観客席が覚めて、拍手が起こる。
わたしはブエノスアイレスに到着したエバのような気持ち。夢のような光景。
演劇の女神様は、確かに水さんに微笑んでいた。
演劇の女神様は、魂の大きい俳優に優しいのだ。
そして、それを見守る今井さんの存在の優しさの大きさたるや。
台本を書きあげる時、耳の中に聞こえてくるエバとお兄さんの声を、熱病にうなされるように書き取っていった。
今はそれが、水さんと今井さんの声で聞こえる。
そして、劇場全体が、ブエノスアイレスになる。
あと、たった6回しかない。
でもたったそれだけの中でも、この生まれたばかりの生き物は、変容し、成長していくだろう。わたしはそれを静かに見守ろう。
エバの魂が、またどこか新しい時、新しい地で蘇ることに、夢の裾野を広げながら。

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