今週日々雑記
28日。「元禄港歌」をコクーンにて。ぎりぎりに頼んだのに、特等席を用意してくれた佐貫Pに感謝。あの席でなければ、宮沢りえさんの瞳の奥を覗き込むことはできなかった。
帝劇で、1980年の初演を見ている。2000年には、演出助手でついていた。
仕事を離れて、ようやくこの芝居を、作品として味わえた気がしている。
秋元先生の戯曲のあれこれが、直接響いてきた。
新しいキャストそれぞれの味わいがあったが、
なかでも歌春-鈴木杏と万次郎-高橋一生のコンビは、これまでの上演で随一だと思う。いかんともしがたい情欲を、匂わせてくれた。
舞台上には、もう長いこと一緒に演劇をやってきた仲間たち。
それに加えて、かつてそこにいた方たち。
喜和子さん、徳さん、山岡さん、光本さん、金龍さん、紫さん。そして、朝倉先生。
みんな、そこに集まってきているような気がして、ずっと懐かしく、かつ息苦しかった。
特に市川猿弥さんの口跡が金龍さんにそっくりで、あの舞台での存在感と、駆け出し俳優のわたしにまで優しい言葉をかけてくださった姿、すべてが思い出された。……そういう意味では、あまりいい観客ではなかったかもしれない。
大好きな女優、文学座の新橋耐子さんと、一献かわして帰った。
ちまちました悩みを忘れさせてくれる、でっかさが、耐子さんにはある。
生きててなんぼ、だ。
蜷川さん。どうぞ今を克服してください。次の作品を見せてください。
29日。俳優塾での、シェイクスピア群読、14作品め、「十二夜」。気がつけば、もう三十七本中、三分の一をとうに過ぎている。
通常の群読と、キャスティングしての立ち稽古、という2ラウンド。
終わって、飲み会。俳優たちの現在がそれぞれに露出。
彼らのそばに、どう付きそうべきか、いつも探っている。
とは言え、わたしだって、いまだに悩める人。一緒に酔って、一緒に高らかに話す。
30日。今とりかかっているプロットを、ぐいぐい責める。反社会的な、とち狂った愛欲の話(だけど、ひたすら美しく悲しい愛の話)を書こうとしているので、パソコンに向かいながら、一人で欲情しているみたい。
そのまま、シアタークリエに駆け込む。
『THE Sparkling Voice10人の貴公子たち』
わたしが宝塚に傾倒する端緒は、安奈淳×麻実れいのベルばら。
それから、30年以上宝塚離れしていたのに、ずっと好きだったのだな、という印象。
演助時代に出会ったツレさんやターコさんはじめたくさんのトップスター、作家/演出家として出会った、水夏希さん、彩輝なおさん。次はAkane Livさん。
これからも、きっと出会っていく。
わたしは、欲深く、今ある美しさ素敵さの向こうにある、さらなる演劇的魅力を探しにいくのだろうな。
未来に向けた酒席で、準備しておいた企画を、熱く語る。
(熱いのは、恥ずかしいが、わたしの基本。)
明日は、反社会的なプロットを、欲情しながら書き上げる予定。
自分が面白いと思うことを、まずは、書く。