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2016年4月

2016年4月30日 (土)

楽屋三日目。

「楽屋」三日目。
女優たちが、自分たちで空気をつくりはじめて、わたしの手を離れ動き出した。明日一回で終わるのは惜しい。

今回の演出は、清水さん蜷川さんへのラブレター、あの頃へのラブレターみたいなところがある。てらいなくそれをやった。
ずっとお世話になってきた渡辺弘さんが、そこに感動してくださった。「よかったよ〜」と顔をほころばせて、ちょっと記憶を疼かせるような顔で。素直にうれしい。わたしも一緒に過ごした時間が疼く。

そして、2010年に「楽屋」をともにした加藤さん。
あの公演があるから今がある。観にきてくれてありがとう。
女優D瑞生桜子を絶賛してくれたのもうれしかった。

でもって、「Color of Life」のレイチェル二人も!
女優には、すごく共感や痛みを呼ぶ台詞がいっぱいある。たくさん感じてくれたみたいで嬉しい。
レイチェルズで写真をパチリ。素敵な三人姉妹でしょ?

お客さまに挨拶して、今日のフィードバックは明日にまわして、劇場を飛び出る。自転車を飛ばして、梅ヶ丘から初台まで25分、広崎うらんの「情熱と生活」に駆け込んだ。

いつか見た美しい夢、いつか見た悪夢、生活の中のふとした瞬間に宿る人間存在を、宇宙にまで飛ばしてしまうようなイメージの連続。美しかった。
アッキーの声や笠松さんの音楽、耳に届く音も、「セッション」のタイトルにふさわしい、踊り手の心と身体に拮抗する美しさ。
うらん。素敵だったよ。見てよかった。
頑張ってる仲間は、何よりの心の支え。

飲んでないのに、ほろ酔いみたいな夜。ほんのりした幸せ。

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2016年4月29日 (金)

南谷朝子と再会。

燐光群「楽屋」フェスティバルにて、ハイトブの会「楽屋」初日。
30年前、清水邦夫作/蜷川幸雄演出の舞台に一緒に立って共感しあって以来、ほぼ会うことのなかった、南谷朝子に再会。
乾杯をする。
こんなにも時が流れたのに、昨日も一昨日も一緒に何か創っていた同志に会ったような気がする。
時を数える単位は、秒/分/時/日/月/年だけでは、きっと、ないのだ。
感慨深い。

2016年4月26日 (火)

「楽屋」はじめての通し稽古。
2010年以来、「楽屋」の演出は二度目だが、
驚くほど、違う作品。
自分自身が、前よりずっと戯曲が読めている。
こんなにも違うか?と自分がいちばん驚いている。
俳優と一緒に、公演を前にして戯曲を読み解くという力。
わたしが、ずっと演劇だけで猛進してきた力。
清水さんと蜷川さんから継承してきた力。

今日の通し稽古では、松谷彼哉の伸びしろが凄まじかった。
君はなんて可憐なんだ!
君はなんてえぐいんだ!
君はなんて滑稽なんだ!

俳優を信じることは、なんて素敵なんだろう。
稽古を見ながら、胸のすく思い。
進化や深化を眼前にすると、さらにまたその先が見えてくる。

===

「楽屋」は、自分の来し方をどうしても考えてしまう芝居だ。
自分の蓄積が、なんとも苦い。やりきれなくなる。
ただ、ありがたいことに、目の前の俳優たちが、見守ってくれる仲間たちが、それは甘い蜜でもあるのだと、気づかせてくれる。
燐光群「楽屋」フェスティバル参加まで、あと二日。

2016年4月21日 (木)

「Angel」について、少しだけ。

新作「Angel」は、あえて、作品の内容については
何も語ってきませんでした。
エンタステージのインタビューではじめて内容にふれましたので、
少しだけ、書き加えておきます。

「ライ麦畑でつかまえて」(Catcher in the rye)の主人公、ホールデン・コールフィールドに見られる、10代が世界に対峙する時の屈折。痛み。露悪的な自己表現。

その作者、サリンジャーが、執筆、戦争体験、自己愛と痛切な恋愛、社会の裏切りを経て、晩年、自宅の周りに高い塀を巡らして暮らした姿。

日本の芸能界における、アイドルという存在の虚像と実像。

森茉莉が、愛する父鷗外を喪ってから、ずっと過去の記憶と暮らし続けた姿。

人の、海馬と、大脳皮質に留まり続ける「記憶」の神秘。

……そんなモチーフたちが、撚りあって、一本の物語になりました。

ダンスの道に専心してきた大野幸人、
かつてアイドルと呼ばれたことのある大野幸人が、
一人の男の人生の記憶を、
膨大な言葉としなやかな身体で語ります。
切なく痛ましい記憶の物語が、
一筋の輝く救済に向かって疾走する物語が、
彼が演じることで、なんとも美しい舞台になりそうです。

残席は残りわずか。

是非、この意欲的な作品に出会って頂きたく、
ご案内いたします。

大野幸人Solo Act「Angel」
石丸さち子 作/演出
佐藤仙人文弘 パーカッション
6月24日 19時(ご相談ください)
6月25日 14時(ご相談ください)/19時(ご相談ください)
6月26日 14時(ご相談ください)/17時30分(残席わずか)
http://angel-theater.info

「Angel」プレ稽古〜楽屋。

午後は、新しい作品に向けてのプレ稽古。
出会ったばかりの俳優は、稽古場にキックボードで訪れる。
草木萌える春が似つかわしい立ち姿。
この人と今度はどこに行くのだろう?と、
始まりの予感にときめいている。
一緒に稽古をする私塾の女優の成長もめざましく、稽古が楽しい。

夜は「楽屋」。
桜上水から新桜台まで、桜から桜、杉並から練馬へと、
自転車で環七をかっ飛ばして稽古場移動。
わたし、元気だな。
でも、野方と新桜台で自転車を降りて地下道、陸橋、というのが煩わしく、帰りはちょっと遠回りして、中村橋から中杉通りをのんびり帰ってきた。
一日の稽古の熱を冷ますには、ちょうどいい。

「楽屋」は、本番を間近に控え、
ざっくり形を整えて、俳優の動向を見守る稽古から、
緻密な組み立ての稽古に移行してきた。
欲深く、今見えている向こう岸のその向こうまで行きたいと念じて、どこまでも澱んだ、どこまでも輝かしい、「楽屋」を作る。

公演FBページに、二つのポストを投稿。

○俳優紹介、木下祐子
○美しき女優C、松谷彼哉の稽古場写真
https://www.facebook.com/events/173297983047804/

2016年4月19日 (火)

演劇で受けた傷は……。

演劇で受けた傷は、演劇でしか治らない。
演劇で傷つけてしまったら、演劇でしか癒やせない。
演劇で傷ついてしまったら、演劇でしか救われない。
そんなことを考え続けた、心の揺れる一日。

2016年4月18日 (月)

松谷彼哉との再会。

松谷彼哉嬢とは、2000年の「グリークス」以来の再会です。
蜷川カンパニーの演出助手時代に出会った俳優と、
わたしは少しずつ、演出家として出会いなおしています。

きっと、目に見えない縁で結ばれていて(なんだか歌詞みたいだけど)今年のお正月あけに、もう何年ぶりかで松谷とご飯を食べにいったのでした。
それが、こうして仕事をともにする流れになろうとは、想像もしていなかった。

二人とも長い間、この業界で働いているけれど、
わたしも、松谷も、まだまだ発展途上。
だから、お互いの成熟と未熟をすべてさらけ出して、
女優Cを創っています。
さらけ出さないと創れない役だし、
わたしだって「楽屋」を演出することは、
自分がこれまで過ごしてきた時間を総ざらえするようなもの。

初日まで、あと10日。

女優という職業の美醜のあれやこれやをこれでもかとお届けします。

御予約はわたしまで。
心よりお待ちしております。

2016年4月13日 (水)

COL劇評。

朝日デジタルで取材をしてくださった岩村美佳さんによる、Color of Lifeの公演評。First とNewの両方をご覧いただき、作品の「色」ふたつの「出会い」を、丸ごと味わってくださいました。ありがとうございます!


2016年4月11日 (月)

はねゆりの絵から。

心に余白が戻ってきた。

新しい演出や、新しい台本のことを考える一方、
振り返って愛でなおしたり、反省したり。
少し、整理したり。
(完璧な整理など、恐らく一生できない。)

かつての自分に強引に色を重ねるのではなく、
新しい仕事のためのキャンバスを、
ようやくちゃんと準備できた気がする。

これは、はねゆり嬢が描いてくれた絵。
わたしのイメージ「炎」の中に、
Color of Lifeのモチーフがいっぱい詰まっている。
この絵を落ち着いて眺めていると、
彼女の可能性のどこまでをわたしは引き出せたかな?
って振り返り、また会いたくなってくるのだ。

強引に火をつけあって燃え続けた、
わたしとはねちゃんの稽古場。
でも、彼女はとてもナイーブに、あるいはクールに、
わたしとColor of Lifeを、見ていたのだと思える。

たくさんの目に晒されて、今日も明日も。

新しい勇気を、渾身で掴もうとする日々であります。

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2016年4月10日 (日)

「楽屋」進行中。

「楽屋」の稽古、進行中。
女優四人と、これから組んずほぐれつ、来週からさらに深まっていきそう。
どこまで行けるかな?
でも、演出家は俳優がそこにいないとどこにも行けないので、
彼女たちに託す術を探る日々。

わたしは演劇をやってる時がいちばんいい。
強いし、あきらめないし、くじけない。
人に対する想像力が途切れない。
情熱と冷静の間を行き来できる。
(ってことは、演劇をやってないと……ということだが、
口にすまい。)
http://pokobokko.wix.com/haitobugakuya

============
燐光群アトリエの会が「楽屋フェス」をやろう!と企画を打ち出した!
04/27~5/上旬まで、フェスティバル期間中はどこをとっても同じお芝居「楽屋」を上演しまくっています(笑)ただし、違うグループが入れ代わり立ち代わり・・・
「楽屋」は女優4人のみで展開するお芝居。ということは・・・
WAO!なんとも女優だらけのフェスティバル!!!
そのフェスティバルに参加いたします、「ハイトブの会」と申します。どうぞよろしくお願いします♪
4月28日(木)16時
4月29日(金)18時
4月30日(土)16時
5月1日(日)14時
@ 梅ヶ丘Box 
(小田急線「梅ヶ丘駅」徒歩1分・井の頭線「東松原駅」徒歩10分)
チケット
前売:3000円 当日:3300円 
学生(前売りのみ):2000円(要学生証提示)
【演出】
石丸さち子
【出演】
木下祐子 久保亜津子 佐度那津季 松谷彼哉 (アイウエオ順)

2016年4月 8日 (金)

劇場にいる夢を見続けている。

劇場にいる夢を見続けている。
稽古場ではなく、ほぼ、劇場にいる。
昨日は、吊り物として、なぜか15体くらいの一反もめん(!)が吊ってあって、そのタッパが高いのではないか、印象が弱いのではないか、タッパを変えてみたいとわたしは望んでいる。
照明プランナーは、なぜか吉井先生で(!)、「石丸、Fade in の時の印象を強くすれば大丈夫だよ」などと説得されるも、「確かにタッパを下げると色んなものに干渉してくる、修正に時間がかかる、でも試したい!」と思うわたしがいて、闘ってみようとしたところで目が覚めた。

なんともシュールな夢なのだが、吊り物の一反もめん(一反もめんたちの視線が神の視線みたいだった!夢の中のわたしの感慨。)がいかに生きるかに執着するわたしが、夢が覚めるとなんとも馬鹿馬鹿しくておかしく、少し心が和らいだ。

このところ、現実では、良い夢の残り香に酔いつつ、一方、悪夢にうなされていて、その振り幅の広さに、なかなか自分を律することができないでいた。

眠りの生む夢の中で、ずっと劇場にいる自分を思う。

今、わたしは転機におり、たくさんの記憶の清算を余儀なくされている。
自分の生きる場所を、新たに探すような日々だ。
答えの見つからない中で。
自分自身を生かし、活かすのは、やはり劇場で夢を見続けることしかないのだと、眠りに教えられているのかもしれない。

そして、夢の中の劇場に吊られていた、一反もめんたちの視線がわすれられない。

サリンジャーが「フラニーとゾーイ」の最終章で書いた、
あの、「視線」を感じるようだった。
そこにだけは、嘘をつかずに、生きなくては。

2016年4月 3日 (日)

春の力。

26日に、Nocturne #22 In C Sharp Minor, Op. Posth.のデザイナー、
鈴木道子さんとプロデューサーの山本雄司さんが、
「Color of Life」をご観劇くださいました。
胸の熱くなるご感想も頂き、とてもうれしかった。

その時に頂いた百合は、二輪の花を咲かせていましたが、
今は大きな四輪を咲かせています。
ふくらんだ蕾があとひとつ。
驚くほど水を吸い上げるので、毎日水を差し替えています。
どれほどかの力で、重力に反して、水は上を目指している。
家の中に、こういうエネルギーが目に見えて存在することに、
とても力をもらいます。

とすると、今を咲き誇る桜たちは、どれほどの水を、
天高く差し伸べようとしているのだろう?
どれほどの植物が、樹木が、大地から水を吸い上げているのだろう? 
などと想像が膨らみ、
春という季節の力が、目に見えるような気がするのです。

2016年4月 2日 (土)

堆積。

長い眠りを久しぶりにとった。
夢の中で、ずっと、ずうっと、Color of Lifeの稽古をしていた。
目が覚めて、今日から演出する作品に申し訳なくなった。
前の恋人を完全にひきずって、新しい人とつきあっている、みたいな。
でも、作品にしろ、恋人にしろ、
わたしを通っていったものは、
この身と心に、すべて堆積していく。
堆積していくのだ。
だから開き直る。

今日、稽古はじめの「楽屋」にとって、
「堆積」は、とても重要な鍵になる言葉。
何をどんな風に堆積してきた女優が演じるかで変わる。
四人の女優の堆積に出会うのは、かなりえぐそうで身の毛がよだつけれど、それをやらねば、「楽屋」の演出家はつとまるまい。

よし、稽古初日。

2016年4月 1日 (金)

Color of Life終演。

Color of Life 終演。
この作品を愛してくれた、四人の俳優、すべてのスタッフ、ご来場頂いた観客の皆様に、心から、心底からの感謝を。
この幸せに、あるいは打ち上げの酒に、酔ったような酔わぬような、不思議な心持ちの今。午前4時50分。

愛猫は、わたしの不在の長さに憤懣やるかたないようで、遊べ遊べと足を噛んで離れない。

自分の芝居が愛された記憶だけを抱えて、今夜は眠ろう。
そんな幸せな夜があってもいいだろう、と、独りごちる。

愛してやまない俳優たちと、支えてくれたスタッフが、
しばし豊かな眠りの中にありますように。

そして。皆。それぞれに。
人生は続く。

次々回 作/演出作品「Angel」

6月には、石丸さち子作・演出の一人芝居。
『Angel』大野幸人 solo act

大野幸人という、魅力的な表現者とどう出会うか?
一人の男が、上演時間内でどれだけの物語を紡げるのか?
わたしは観客と一緒に、どんな風景を見たいのか?

公演日程
2016年6月24日(金)~26日(日)
出演者/ 大野幸人
脚本・演出/ 石丸さち子
会場/ ニッポン放送イマジンスタジオ

次回演出作品「楽屋」

次の演出作品は、清水邦夫作「楽屋」。

今、清水さんの作品を上演するということ。
四人の女優の「今」を引き受けるということ。
小さな公演だけれど、必要なエネルギーは莫大。
演劇以外の何もかもを喪ってきたわたしだからこそできる、
恩讐の彼方を描きたい。

以下、公演FBページより。
============
燐光群アトリエの会が「楽屋フェス」をやろう!と企画を打ち出した!
04/27~5/上旬まで、フェスティバル期間中はどこをとっても同じお芝居「楽屋」を上演しまくっています(笑)ただし、違うグループが入れ代わり立ち代わり・・・
「楽屋」は女優4人のみで展開するお芝居。ということは・・・
WAO!なんとも女優だらけのフェスティバル!!!
そのフェスティバルに参加いたします、「ハイトブの会」と申します。どうぞよろしくお願いします♪

4月28日(木)16時
4月29日(金)18時
4月30日(土)16時
5月1日(日)14時

@ 梅ヶ丘Box 
(小田急線「梅ヶ丘駅」徒歩1分・井の頭線「東松原駅」徒歩10分)

チケット
前売:3000円 当日:3300円 
学生(前売りのみ):2000円(要学生証提示)

【演出】
石丸さち子
【出演】
木下祐子 久保亜津子 佐度那津季 松谷彼哉 (アイウエオ順)

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