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2016年10月27日 (木)

▶平幹二朗さんとお別れをする

平幹二朗さんのお通夜へ。
短い、短い、お別れの時間。
遺影を前にすると、声が聞こえる。
たくさんの、たくさんの、台詞が聞こえてくる。
清村盛、忠兵衛、メディア、アガメムノン、リア王、
プロスペローが魔法の杖を折る、あの最後の台詞……。

平さんとの出会いは、「タンゴ・冬の終わりに」だった。
描かれるのは、
俳優として生き抜いた者の歓喜、陶酔、狂気、末路。
俳優の中の俳優の、宿命のすべて。

清水邦夫さんの生み出した、清村盛に取り憑かれたかのような、
あの台詞たち。1986年の上演台本を出してきた。

「よし、握手しよう。
……そう、握手……別に意味もなく……そうすれば、別にことばなんかなくても、ぼくの青春がうまくきみのなかに流れこみ、しみ通っていくかも知れない……なんの芝居のセリフだろう……いやいやそんなことはどうでもいい、さあ、握手だ。」

「ごきげんよう……これより死におもむくぼく、そしてぼくら仲間から最後の別れをいいます」
……と、この先に続く、痛ましくも美しい台詞は、
今でもわたしは空で言える。

平さんから頂いた、演劇への溢れんばかりの熱は、
一生、生きてる限り、忘れない。

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蜷川幸雄演出「王女メディア」挿入曲
これを聞くと、すべてのシーンが見え、聞こえる。

三上寛 大感情
https://www.youtube.com/watch?v=wYQmOi6uwvg
ヘンデル サラバンド
https://www.youtube.com/watch?v=Js3y6ouy1rQ

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