▶死と永遠を描く
「この泡の消えるまで」
初日開けて3日。すでに4回を終えた。
わたしの待ち望んだ世界にぐっと近づいただけでなく、
金すんらさん自身の魅力が、わたしの想像の外からやってきて、
作品を色づけてくれている。
死を描いているのに、軽やかでありたい。
色分けされない深味のある喜怒哀楽を見たい。
見ていて笑顔になる時間でありたい。
一杯のグラスの中に、永遠の時間を閉じ込めたい。
わたしの贅沢な夢を、伊藤靖浩さんの音楽に飾られて、
あの手触りのある空間に生み出してくれている。
「イケメンの舞台が好き!」
と言って憚らないわたしの若き女性客が、
素晴らしい洞察力の手紙をくれた。
箱入りのシャンパンを添えて。
(この芝居は、チェーホフが人生の最後に飲んだ一杯のシャンパンに込められた永遠のお
箱を開けた瞬間、わたしは呟く。
「わたし、イケメンじゃないのに……。」
2度目の観劇の感想もしっかり口頭で伝えてくれた後、
「今から2.5を見てきます!」と駅方向へ消えていった。

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