▶脳髄の広間
徹子の部屋での、中村メイコさん。
ご主人神津善行さんとのことを軽やかに語る。
徹子さん「お二人のベッドルームは、今も一緒ですって?」
メイコさん「だってね、お互いが死んじゃったことを気づかないなんて、やっぱり、エチ
ケット違反だと思うのよ。
だから、年取ってからはやっぱり、並んで寝た方がいいと思う。」
父と母のことを考えていたからか、
この幸せな言葉に、しばし時間が止まった。
あらゆる思いやりや忍耐の時間の先に、宿る幸せ。
連続した時間が生む、
生活の細部に宿る、純度の高い小さな幸せのあれこれ。
もちろん、宿らないこともある。
人生は、そうそう公平ではないからね。
でも、海馬あたりの短期記憶にはなくても、
脳髄格納の長期記憶に昇格したものが、きっとたくさん。
そこに探しにいけばいい。
そういえば、1月に再演する「Angel」は、そんな話でもある。
脳髄の広間で、幸せと再会する話。
主人公は、昭和に愛されたアイドル。
一世を風靡したあと失踪して、
まるでサリンジャーのような蟄居を始める……。
今自分が書きたいことが、
今を生きる俳優の血肉になって、
観客に愛されるという喜びを、この公演では覚えた。
再演で、また育てよう。
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