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2017年1月

2017年1月30日 (月)

▶みやなおこさんのブログより

仕事で、同年代の方とご一緒する機会が少ないのです。
特に女性は。
「旅猫リポート」でみやなおこさんとご一緒できたのは、
なんともうれしいことでした。同い歳!
演じ分けが軽やかで情感がある。
そして、正直で柔らかい。
何より、生死を描く泣きどころでの立ち方が、絶品でした。

で、みやさんからのわたしへの褒め言葉が、
とっても嬉しかったので、ブログをシェアします。
わたしの「あきらめない」に、我慢強くおつきあい頂いたことに、深く感謝します。

色んな組み合わせの一人と一匹が、
愛することと別れることに身をよじって泣く。
わたしが客席で泣き、みやさんが袖と舞台で泣く。

観客席では、波のようにすすり泣きが続く。

いい芝居だったと思います。

みやさんが書いてくれた、
「朗読劇でここまでできるのか!?」という言葉に、
また次を創る元気をもらいました。

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2017年1月29日 (日)

▶「旅猫リポート」終演

思いがけず、自分を揺さぶる公演になった「旅猫リポート」。
真っ向から、生と死を、描いた。
彼岸と此岸に別れても愛し合える、また再び出会えると信じる出会いを、描いた。
恥ずかしげもなく、まっすぐに演出したのは、
わたしがあまりにも「死」を間近に体験した時期だからだと思う。

新年からぐいぐい引っぱってきた俳優たちが、
どんどん本気になってくれて、
今のすべてをぶつけてきてくれたから、
わたしは客席で何度も泣いた。
神様は、今のわたしに必要なことを、
仕事の中に与えてくれたと思っている。

ちょっと働き過ぎだけれど、
心は軽やかだ。

博品館劇場バラシの間、
ずっと客席にいて、一ヶ月後に劇場入りする
「Color of Life」の演出プランを考えた。
なんて贅沢で、なんて心躍る時間だったろう。
本当に幸せだと思った。
「幸せだ」とタイプする間に、
ほろほろ涙がこぼれるほどに、
生きていることが幸せで、
劇場にいることが幸せだった。

母を喪うということ。
誰でもいつか経験することが、
わたしは今、仕事が一段落して、
とても寂しく、とても辛い。
この時期を、「Angel」と「旅猫リポート」という
二本の芝居とともに過ごせたことを、
本当にありがたく思っている。

2017年1月28日 (土)

▶「旅猫リポート」に夢中

わたしは、演出家と劇作家を名乗っているけれど、職業が持っている必然以上に、俳優を

愛してしまう癖がある。
一概に褒められたことではないとも思うのだが、
「Color of Life」の台詞にも書いた、It's my natureである。

マチソワを観て、開演前にはみっちり稽古をして、
もう充分なはずなのに、Twitterで今一緒にやってる俳優たちのことを呟いたりし

ている。
やるべき仕事山積みなのに!
うーむ。

──────
毎回、組み合わせでまったく別の作品になってしまう「旅猫リポート」
毎公演開演前にみっちり稽古につきあってくれるスタッフと音楽チームに感謝。
それぞれの俳優が「これが今の自分だ」と認識しているその先を観たくて、
客席に座っている。待っている。
──────
みんな卒倒しそうになりながら、猫のナナを創ってきて、
物語をどう生きるか一緒に丁寧に分析してきたが、
「かわいい」だけは、わたしが演出しなくても、みんなちゃんと持ってくる。
自分流の「かわいい」を。
愛されることが仕事なのは、猫も俳優も一緒。
だね。
──────
鳥越裕貴のサトルには、死を予感した青年のにおいがある。物語の布石を立ち姿に見せるのがうまい。
碕理人は、独特なリアリティーで野良猫の感情の振幅を生きて魅力的。
伊万里有は、無骨かつ柔らかな愛で飼い猫を包んで泣かせる。
明日は三人とも、もう一方の役に期待。
──────
そして、初日から本番で格闘する仲間を見続け、今日、ナナとサトルの初日と千穐楽を一気に終えた、谷佳樹。
「この作品が好きだ」といつも生き生きしていて、「この作品は大変だ」といつも恐怖と闘っていて。
稽古の現在を一気に越えた本番だった。
フィードバックして、あと二回は観たかった。

2017年1月27日 (金)

▶旅猫本番中、オーディション情報公開

今日、オーディションの情報を発表して、たくさんの方にシェアやリツイートなどで協力

して頂き、とても感謝しています。
高野しのぶさんのサイトでも紹介して頂いたので、たくさんの方々の目に触れたのではな

いかと思います。これも感謝。
http://shinobutakano.com/2017/01/27/4410/

オーディションと銘打っていますが、
ただ、ただ、出会いたいのです。
あるいは、あの人、この人が、
「6月7月なら一緒にやれるよ」
と声をかけてくれるのを待っているのです。
あまりに急ごしらえの企画なので、
出会いの場も、急ごしらえ。
でも、きっと何かあるはず。

演出仕事、再演の仕事が続き、
新作を書くのは、9月以来。
出会った人々を念頭において、
「Color of Life」の後に書き上げる予定です。
プロットはすでにありますが、
出会う俳優によって、変容すると思います。
つまりは、出会いがすべてなわけで。
わたしは声をかけてくれる俳優たちを待っています。

今年の新作はこれが一本。
大幅リライト再演が一本。
来年に向けて、書き始めたい二本の種も水やり中。

今を生きていることの、
わたしという人間の、
この世界を読み解く視点の、
表明を、
演出だけではなく書くことでもはじめてしまって、
わたしは演劇という夢に埋没し、かつてより孤独。
でも、演劇である以上、
どこまでもどこまでも、人と出会う。人に踏み込む。
なんて振り幅の広い仕事だろう。

明日は、出会ったばかりの若手たちと、
またぎゅっと濃縮した時間を過ごします。
「旅猫リポート」4日目。
谷佳樹、碕理人、鳥越裕貴の回。
……ちゃんと眠れているかなあ。

Theatre Polyphonic出演者オーディションのお知らせ

オーディション概要

https://polypho.wixsite.com/audition

演出家/劇作家、石丸さち子の主宰するTheatre Polyphonicでは、

7月新作ミュージカル公演の重要な出演者を広く募集いたします。

熱意をもって、新作のたちあげに魅力を添えてくださる俳優との出会いを心待ちにしております。

 

▶募集内容

20代〜50代。男性、女性、若干名。

演技、歌、ダンス、いずれかに抜きんでた魅力のある方を求めます。

 

▶選考

書類審査→オーディションワークショップ

 

▶応募方法

下記をメールにてお送りください。(件名「オーディション申込」

・プロフィール(年齢・所属事務所・学歴・出演歴・身長・体重・資格など特記事項)

・連絡先(電話番号・メールアドレス)確実に明記をお願いします。

・志望動機と自己紹介

・写真(バストアップ・全身)メールに添付

       送り先  polypho@gmail.com

 

▶オーディションワークショップ

・2月8日〜12日の間で開催

・書類合格者と直接スケジュールを調整いたします

・参加費2000円

▶締めきり

​2月5日(オーディション参加課題をいち早くお渡しするため、なるべく早い応募をお待ちしております。)

▶出演料、スケジュールの詳細に関しましては、出演本決定に向け、個別に相談いたします

▶企画主旨

Theatre Polyphonicは、良質のドラマ/ミュージカルを生み出すことを目的として創られました。

 

主宰石丸さち子は、人間の機微を細やかに描き、俳優の魅力を最大限に引き出します。

新しい挑戦として熱意をもって挑んでくださる、魅力的な俳優を探し出し、トライアウト公演を経て、より多くの観客に向けて開かれた作品に育っていくオリジナルミュージカルを創ります。

(Theatre Polyphonic第4回公演として石丸さち子がNYにて公演した「Color of Life」は、大きく評価され、東京での初演も話題と評価を呼び、3月に再演予定。)

 

 

▶公演概要

 

題名:  Drama with Songs 「ハレバレハレルヤ」(仮題)

期日: 7月12日(水)〜7月17日(月) 8回公演

稽古: 6月頭より歌稽古、その後本稽古を開始。(応、相談)

劇場: シアター風姿花伝 
    http://www.fuusikaden.com

企画・作・演出:石丸さち子 
    http://polypho.com 最近作

作曲・演奏:森大輔

出演: 浦嶋りんこ  小野妃香里 

 

 

 

▶石丸さち子

早稲田大学演劇専攻を卒業後、蜷川幸雄作品に、俳優/演出助手として数多く参加。2009年に独立。

2010年には自主企画のTheatre Polyphonicを立ち上げ、谷賢一書き下ろし「悪魔の絵本」で旗揚げ。

その後、音楽冒険活劇「ペール・ギュント」「結婚披露宴会場で演じられる『三人姉妹』」New musical「Color of Life」などを発表。特に、NYでTheatre Polyphonic Presentsとして国際演劇祭に招聘された「Color of Life」は、フェスティバルアワードで、最優秀ミュージカル賞、最優秀演出賞、最優秀作詞・作曲賞などを受賞し、2016年、日本でも初演。(上口耕平/AKANE LIV 鈴木勝吾/はねゆり主演)高い評価を受け、読売演劇賞の前期で作品賞と演出家賞にノミネートされました。現在は演出と劇作、ストレートプレイとミュージカル、両面で活動中。最近の作・演出作に「サンタ・エビータ」(水夏希/今井清隆主演)「Angel」(大野幸人主演)など。

 

 

▶Theatre Polyphonic

2010年、演出家石丸さち子が、自らのプロデュース公演の母体として設立しました。

石丸さち子が企画し、公演毎にキャストをスタッフを集める、個人プロデュースの団体名です。Polyphonicという名前には、「たくさんの創造力や想像力が、自由に響き合い絡みあって作品を産み出していけますように」という願いがこめられています。

 

第1回 「悪魔の絵本」

2010年10月1日(金)~11日(月) 16回公演 サンモールスタジオ

作:谷賢一 演出:石丸さち子 出演:市井紗耶香、田村真、岡田あがさ、野口卓磨 他

 

第2回 結婚披露宴会場で演じられる「三人姉妹」

2012年7月10日(火)~12(木) 5回公演 結婚式場アンフェリシオン・レガーロ

作:A・チェーホフ 演出:石丸さち子 出演:杵鞭麻衣、朱永菁、竹中友紀子、渡辺樹里、青山達三、河内大和 他

 

第3回 音楽冒険活劇「ペール・ギュント」

2012年12月4日(火)~9日(日) 10回公演 日暮里d-倉庫

作:H・イプセン 演出:石丸さち子 音楽:伊藤靖浩 

出演:一色洋平、佐伯静香、石丸さち子、右手愛美、佐藤誓、瀬戸宏一、鎌田誠樹、竹中友紀子 他

 

第4回 NEW MUSICAL「Color of Life」

Midtown International Theater Festival参加作品

2013年7月16日(火) 19日(金)〜21日(日)4回公演 NYドロシー・ストレルシン劇場

作・作詞・演出:石丸さち子 音楽:伊藤靖浩 翻訳:Shino Frances     出演:伊藤靖浩、Shino Frances

第5回 NEW MUSICAL第2弾「タールピット」

2014年8月16日(土)〜30日(土) 東京(キッドアイラックホール)、大阪、山形公演

作・作詞・演出:石丸さち子 音楽:伊藤靖浩   出演:伊藤靖浩 ユン・ソヨン 金子大介

2017年1月24日 (火)

▶「旅猫リポート」GP

「旅猫リポート」博品館劇場にて、
場当たり、稽古、GP。
人と、猫の、別れの話。
わたし、GPで泣く。
昨日まで、稽古場で、「演劇なめんなよ!」とか怒鳴っていたのに、
泣く。
ストレートな命の話。
此岸と彼岸に別れても、愛しあう人と猫の話。
今のわたしには、パンチの強すぎる作品。

出会っている若手たち。
人気があったり、売れたりするにはちゃんと理由があって、
いろいろ持ってきます。それぞれが面白いです。
でも、「今の自分で満足してたら感動など呼べないよ!」と、
高いハードルを次々に用意するのが、わたしの仕事です。
みんな、通し稽古を終えたら、魂抜けたみたいに放心しています。
命の話を語るのだから、そうでなきゃ嘘です。

明日初日。千穐楽まで、毎回、違う組み合わせ、違う役で6人が入り交じるので、毎本番、稽古や場当たり。大変過ぎる!!!
でも、限られた時間で、出来る限り出会います。

家に帰って、我が白猫を、ぎゅっと抱きしめる夜です。


「「旅猫リポート」博品館劇場にて、
場当たり、稽古、GP。
人と、猫の、別れの話。
わたし、GPで泣く。
昨日まで、稽古場で、「演劇なめんなよ!」とか怒鳴っていたのに、
泣く。
ストレートな命の話。
此岸と彼岸に別れても、愛しあう人と猫の話。
今のわたしには、パンチの強すぎる作品。

出会っている若手たち。
人気があったり、売れたりするにはちゃんと理由があって、
いろいろ持ってきます。それぞれが面白いです。
でも、「今の自分で満足してたら感動など呼べないよ!」と、
高いハードルを次々に用意するのが、わたしの仕事です。
みんな、通し稽古を終えたら、魂抜けたみたいに放心しています。
命の話を語るのだから、そうでなきゃ嘘です。

明日初日。千穐楽まで、毎回、違う組み合わせ、違う役で6人が入り交じるので、毎本番、稽古や場当たり。大変過ぎる!!!
でも、限られた時間で、出来る限り出会います。

家に帰って、我が白猫を、ぎゅっと抱きしめる夜です。」

2017年1月23日 (月)

2月上旬オーディションを開催いたします。

Theatre Polyphonic第6回公演
「ハレバレハレルヤ」(課題)
出演者オーディションは、2月8日〜11日、開催予定です。
詳細は、数日中にお知らせいたします。

▶出会い、たくさん

「Angel」がマチネで終演後、そのまま次の稽古場へ。
「旅猫リポート」25日初日。
「Angel」の稽古期間の前に先行して稽古をはじめていたのだが、全くもって稽古時

間が足りない。
磯貝龍虎、伊万里有、植田圭輔、碕理人、谷佳樹、鳥越裕貴らと出会っているが、出会い

きれるかどうか、わたしは必死だ。
ちゃんと出会わなきゃ、出会う意味がない。
わたしの人生の信条に反する。
短い時間をどう活かすか、頭を使った上で、体当たりである。
明日、劇場入り。

Theatre Polyphonic第6回公演のオーディションも迫っている。
これも、どう丁寧に出会うか、考え続けてている。
数日中に詳細を発表する予定。

昨夜は、稽古の後、深夜「Angel」の打ち上げに参加した。
余韻を、創り上げた仲間と賑やかに、あるいは静かに、
共有する時間を持たないと、先に行けなかった。
耳の中で「涙の16歳」が聞こえ続ける中、
笑顔でこの芝居に、別れを告げた。
丁寧に、自分の現在のすべてを賭けて出会った仕事の清々しさが、
「Angel」にはあった。
すぐに仕事じゃなかったら、「Angel」ロスでしばらく動けなかったかもしれない。それくらい精魂傾け愛した芝居、深々とした出会いだった。

今までの経験値、現在のわたし、
それ以上でもそれ以下でもない生身のわたしが、
出会う以上は出来る限りの愛情を持って、出会うこと。
これをはずしちゃいけない。

2017年1月22日 (日)

▶「Angel」終演

「Angel」と、
「Angel」が終演した今と、
今からの時間を分けるために、
書いておこう。

ご来場くださいました観客席の皆様、
ありがとうございました。
創っている者にとって、観て頂けるのが一番の喜びです。

昨年6月から、半年後の再演。
大野幸人の今と、わたしの今を静かにぶつけあって、
本番で手渡すこの物語の手触りや匂い、重さや、辿り着きたい風景を、丁寧に共有する時間を重ねてきました。
稽古をする、というより、ずっと深いところで、共有のための時間を過ごしてきたように思います。

そうすると、大野幸人の中に起こること、小島賢に起きること、
小島奈伊里に起きること、すべてが、ものすごく純化されて、客席に波及、浸透していくのが見えました。
自らの今の全てを傾けて、この作品を立ち上げてくれた大野幸人さんに、心から感謝します。わたしにこの作品を創る機会を与えてくださったプロデューサー、繊細な芝居に心一つに臨んでくださったスタッフの方々、皆さんに感謝します。

また新しい稽古の時間、また新しい本番の時間でした。
演劇では、一瞬が永遠になりうる。永遠の一瞬が生みだせる。

この稽古の途中で、わたしは大好きな大好きな母を亡くしました。
救ってくれたのは、稽古場での、劇場での、時間でした。
大野幸人の「Angel」でした。
泣いたら止まりそうにないので、これから別の稽古に行きます。
わたしの脳髄に生きている人を大切に生かし続けるために、
わたしは、この大好きな世界で、転がり続けようと思います。




以下、大野幸人さんのブログより。
http://ameblo.jp/happy-man3/entry-12240644729.html

「『Angel』無事に全公演終了致しました。

観に来て下さった皆様、
観にこれてないけど
応援していて下さった皆様、
本当にありがとうございました。

『Angel』は今回が再演でした。
再再演があるのかどうかは全く分かりませんが、小島賢(こじますぐる)という役をやらせて頂く機会を与えて下さった全ての方に感謝したいと思います。

小島賢(星ミツル)
もうこの役をやることもないかも知れないと改めて思うとなんだか寂しくなります。

「涙の16歳」
もうこの曲を歌うこともないのかと思うと結構寂しくなります、、、w

きっとしばらくは、
どこの駄菓子屋にもあったラムネの瓶の形をした小さなボトルの中の白い粒を食べ続けて寂しさを凌ぐと思います。
(今大量に手元にあるから)

そして、
僕の為に『Angel』という本を書いて下さった石丸さん。
僕をすぐるくん(広瀬賢、小島賢、星ミツル)にしてくださった石丸さん。

本当にありがとうございました。

貴重な貴重な
幸せな船の旅が今終わりました。

また次の世界へと
旅立ちたいと思います。

ゆきと」


2017年1月20日 (金)

▶「Angel」再演、いよいよ本番へ

初日を前にした舞台稽古を終えて、出来がいいと、蜷川さんが演出卓でにこにこしながら

「いいあがりだね」って呟いていたことを思い出す。

「Angel」いいあがりです。
自信と確信を持って、そう言います。
開演時間まで、丁寧に丁寧にしあげます。
ご来場くださる皆様、お待ちしております!



今日の「Angel」最終通しを、本番がスケジュールで観られない瞳子さん(安蘭けいさん)が観にきてくれた。
たくさん賛辞をもらって、初日にむけ、最高の元気をもらう。
さらに、帰り道、なんとも優しく力強いメールが届いていることに気づいた。素敵な人との出会いは人生の宝物。
さあ、初日。

2017年1月19日 (木)

▶「Angel」再演稽古、永遠に向けて

演出している時には、複眼を持っているし、
熱い演出家と評される割にクールに芝居を見守っているのだが、
初日を二日後に控えた今日の「Angel」の通し稽古に、
わたしは泣いた。
感動的だった。
飛躍的に芝居が変わった。
確かに初演は、わたしの熱で牽引したが、
再演は、俳優と交わす対話で、俳優の中で熟成し、
目を見張る変化があった。

思春期の痛みと、老いる痛み。
永遠に匹敵する一瞬の交歓。

自分の夢想した物語が、見事に立ち現れている。

飛躍を遂げた稽古の後には、さらにその先の風景が見たくなる。
さらにまた、対話して、今日の稽古を終えた。

大野幸人の「Angel」
明後日21日14時は完売ですが、
21日19時と22日14時は、まだお席をお取りできます。

2017年1月17日 (火)

▶仕事に支えられている

今日は鞄に三冊の台本を入れて出かけた。

「Angel」は開幕を4日後に控えている。
2万2千字の台本。
抜き稽古、通し稽古と、
大野幸人は今日も喋りまくり動きまくり。
どれほどかの、本当にどれほどかのエネルギーが、必要。
毎日、彼に感動し、そして、さらなる向こう側を、
二人三脚で探している。
http://angel-theater.info/
チケット、まだ間に合います。
わたしから生まれた大切な作品が、
敬愛する俳優によって、二度目の旅に出ます。
どうぞ、会いに来てください。

稽古後、遅い夜に「Color of Life」の美術伊藤保恵さんと、
照明山口明子さんと、発注に向けての打ち合わせ。
初演よりシンプルを極めた美術にわくわくし、
新しい「美しさ」のプランを思いつき、稽古に向けて心が弾む。

「旅猫リポート」は、当日パンフレットのための文章を書いた。
人と猫と、生と死と、両者を結ぶ愛について。
自分でもびっくりするくらい、あっという間に言葉が出てきた。

哀しくって哀しくってたまらない時、
こうして稽古場や劇場にいられること、
こうして演劇という仕事を与えられていることが、
どれほどの幸せか、痛感する。


「今日は鞄に三冊の台本を入れて出かけた。

「Angel」は開幕を4日後に控えている。
2万2千字の台本。
抜き稽古、通し稽古と、
大野幸人は今日も喋りまくり動きまくり。
どれほどかの、本当にどれほどかのエネルギーが、必要。
毎日、彼に感動し、そして、さらなる向こう側を、
二人三脚で探している。
http://angel-theater.info/
チケット、まだ間に合います。
わたしから生まれた大切な作品が、
敬愛する俳優によって、二度目の旅に出ます。
どうぞ、会いに来てください。

稽古後、遅い夜に「Color of Life」の美術伊藤保恵さんと、
照明山口明子さんと、発注に向けての打ち合わせ。
初演よりシンプルを極めた美術にわくわくし、
新しい「美しさ」のプランを思いつき、稽古に向けて心が弾む。

「旅猫リポート」は、当日パンフレットのための文章を書いた。
人と猫と、生と死と、両者を結ぶ愛について。
自分でもびっくりするくらい、あっという間に言葉が出てきた。

哀しくって哀しくってたまらない時、
こうして稽古場や劇場にいられること、
こうして演劇という仕事を与えられていることが、
どれほどの幸せか、痛感する。」

2017年1月14日 (土)

▶この日

人生にはいつか必ず迎える悲しい瞬間があります。
直面して、壊れそうな時に、
支えてくれるのは愛情です。
気づかってくれる気持ちです。
そして、わたしが生きる場所、稽古場と劇場のすべてです。
今日は、一生忘れない感動がありました。
愛情に支えられて、明日を生きようと思います。

2017年1月13日 (金)

▶「Angel」再演稽古、順調ながら

芝居の全体が見えて、少し熟れて、
表面がつるっとしてきた時に、
俄然、烈しい欲求不満に襲われ身悶えするわたしが現れる。
その時に欲したもの足りないと思ったものが、とても大切。
稽古の一瞬一瞬を、はじめて見る観客のように過ごすこと。
気づきを全てともに出来る俳優と創れる喜び。

少し前まで、この身悶えが稽古の最中に見えてしまうことがあったのだが、最近は、身悶えするほど欲しいものの正体を分析してから、俳優に伝え、落ち着いて共有できるようになった。
わたしも、少しは成長しているのだと思う。

あ、とは言え、やっぱり稽古の途中で急に暴れ出すことも、
時にはあるだろう。……それもわたしです。

2017年1月11日 (水)

▶「Angel」再演稽古、繊細に

「Angel」の稽古場にいると、血が騒ぐ。
自作の再演の演出って実ははじめてなのだが、ひとつ、わかった。
はじめて創るように稽古をすればいい。
初演を創り上げるためのたくさんの時間の上に、
演出家と俳優の「今」を、一から構築する。
丁寧に。新作を立ち上げる時の緊張感と興奮、そのままに。
(昨年6月の公演は、発声の基礎から個人レッスンを積んで、
1時間半語り演じ続けるための演劇的筋力を、時間をかけて鍛えた上で、物語と繊細に出会う時間を過ごした。
俳優も演出家も、経験値を超えた、新しい出会いだった。)

稽古場で、大野幸人の10代の写真を見せてもらって、
「ああ、わたしはこの少年の話を書いたのだ!」と思った。
衆目を集める美しい少年の瞳の奥に、屈折と翳りが見える。
芝居の中に、確かに彼の思春期が顕れるし、
演出をつけているのは、かつて心の中にナイフを隠し持っていたわたしだったりする。

「涙の16歳」というたった一曲のヒットソングを残して消えた昭和のアイドルが、生涯胸に抱えて暮らす愛情の物語。
禁欲的な物語の終わりには、奇跡のように美しい瞬間が待っています。

どうしてこんな物語が書けたのか、自分でもわからない。
きっと、わたしの思春期の記憶と老いへの不安が混じり合って、
爆発したんだろう。
そして、それを演じてくれる大野幸人が、
わたしの演出からわたしの匂いを消して、
なんとも痛ましく美しい、彼自身の物語に昇華してくれた。

わたしの友人すべてに、お願いしたい。
これを観てほしい。
忙しい一月、なんとかやりくりして、これを観てほしい。

「Angel」
1月21日 土 14時 19時 
1月22日 日 14時
ニッポン放送 イマジン・スタジオ

http://angel-theater.info/

2017年1月 6日 (金)

▶盟友と会う前に

ハレバレと晴れた1日。
事務作業。プラン作業。
新しいことを始めるのに意外と勇気が必要で、デスクの前で固まったままの時間も経過。
「とにかく砕けてもいいから当たっていきなさい!」
我がインナーボイスに背を押され、破竹の勢いで、仕事。

今から、もっともっとわたしの背を押してくれそうな、
演劇の盟友たちと会う。

2017年。我が道を歩き出しております。
我が道を彩ってくれるのは、きっと、やっぱり、人との出会い。

2017年1月 5日 (木)

▶大きな芥子粒

稽古始めからしばらく10時開始の稽古が続くので、
それに照準をあわせて寝起きしてきたと言うのに、
明日は自宅作業だと思うと、ついつい遅くまで仕事してしまう。
どうなんだ、わたし?

人生の終盤に立ち向かう父母。
今、病と闘う友人。
自らの国、自らの愛情を揺るがされる友人。
……過酷な人生と闘う愛する人々に較べれば、
わたしが今の稽古場に、先の公演に、抱える問題など、
芥子粒ほどのことなのだけれど、
その一粒一粒に、わたしの「今」はかかっている。
それがすべて。
明日の仕事のための、充実した眠りを、
さて、今から。

2017年1月 1日 (日)

▶三津五郎さんの思い出

調べ物で過去の資料をあたっていて、
思いがけず、この写真を見つけた。
坂東三津五郎さん。当時は八十助さん。
わたしの私服の迷彩パンツとTシャツを身につけた貴重写真。

「近松心中物語」の打ち上げで、二次会に三津五郎さんがホテルをとって、みんなを招待

してくれた。
飲んで騒いで、交代交代にシャワーを浴びたりして。

で、わたしがお風呂から出てきたら、着てたものがない!
目の前には我が脱ぎ捨てた私服をまとって、
破顔大笑の八十助さん!

え!? なんで着てるんですか!? 
で、なんで入ってるんですか!?
え? パンツぴちぴちだし!!
と、わたし、浴衣と頭にバスタオルを巻いた怪しい姿で大騒ぎ。
爆笑の渦。

芸に打ち込む一方、お茶目で優しかった。
たくさんの人を楽しませる、気遣いに溢れていた。

三津五郎さんが旅立たれてから、もうすぐ二年になる。
この写真で思い出される時の賑やかさと、
この写真を偶然見つけて立ち止まる現在の静けさと。

新しい年を迎えるという節目は、
かつてここに生きていた尊敬する方たちと迎えたような気がする。
かく言うわたしも年をとったのだな。
年をくったのに、まだまだ発展途上なので、
がむしゃらに頑張って、生きることで恩返し。

三津五郎さん、ありがとうございました。

*一緒に写っているのは、蜷川スタジオの仲間、真理ちゃんと知ちゃん。(鈴木真理さん、太田知子さん)みんなもう若くないって口々に言ってたのに、まだまだ若かった、あの頃。
明治座公演の打ち上げだから、おそらく1998年4月25日の写真。
19年前か……。

「調べ物で過去の資料をあたっていて、
思いがけず、この写真を見つけた。
坂東三津五郎さん。当時は八十助さん。
わたしの私服の迷彩パンツとTシャツを身につけた貴重写真。

「近松心中物語」の打ち上げで、二次会に三津五郎さんがホテルをとって、みんなを招待してくれた。
飲んで騒いで、交代交代にシャワーを浴びたりして。

で、わたしがお風呂から出てきたら、着てたものがない!
目の前には我が脱ぎ捨てた私服をまとって、
破顔大笑の八十助さん!

え!? なんで着てるんですか!? 
で、なんで入ってるんですか!?
え? パンツぴちぴちだし!!
と、わたし、浴衣と頭にバスタオルを巻いた怪しい姿で大騒ぎ。
爆笑の渦。

芸に打ち込む一方、お茶目で優しかった。
たくさんの人を楽しませる、気遣いに溢れていた。

三津五郎さんが旅立たれてから、もうすぐ二年になる。
この写真で思い出される時の賑やかさと、
この写真を偶然見つけて立ち止まる現在の静けさと。

新しい年を迎えるという節目は、
かつてここに生きていた尊敬する方たちと迎えたような気がする。
かく言うわたしも年をとったのだな。
年をくったのに、まだまだ発展途上なので、
がむしゃらに頑張って、生きることで恩返し。

三津五郎さん、ありがとうございました。

*一緒に写っているのは、蜷川スタジオの仲間、真理ちゃんと知ちゃん。(鈴木真理さん、太田知子さん)みんなもう若くないって口々に言ってたのに、まだまだ若かった、あの頃。
明治座公演の打ち上げだから、おそらく1998年4月25日の写真。
19年前か……。」

▶こんにちは、2017年

明けましておめでとうございます。
2017年もひとつひとつの出会いを大切に、
追い風でも向かい風でも、
朗らかに駆け抜けたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

例年の通り、初詣。
健やかでさえあれば、あとは自力で素敵な年にしますので、
と、基本のところだけ神頼みしてきました。
末廣おみくじというものを引きましたら、
大吉で、願い事は「高望みでも叶う。」とありまして、
ご機嫌な年明けです。

鳥居の赤と、篝火から力をもらってきました。
今年も燃え続けます。
人を火傷させる火ではなく、
人を暖め、輝かせ、動力を生み出す、
火でありたいと願います。


「明けましておめでとうございます。
2017年もひとつひとつの出会いを大切に、
追い風でも向かい風でも、
朗らかに駆け抜けたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

例年の通り、初詣。
健やかでさえあれば、あとは自力で素敵な年にしますので、
と、基本のところだけ神頼みしてきました。
末廣おみくじというものを引きましたら、
大吉で、願い事は「高望みでも叶う。」とありまして、
ご機嫌な年明けです。

鳥居の赤と、篝火から力をもらってきました。
今年も燃え続けます。
人を火傷させる火ではなく、
人を暖め、輝かせ、動力を生み出す、
火でありたいと願います。」

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