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2017年2月 1日 (水)

▶オーディションとわたし

わたしは、オーディションに向いてないと思う。
かつて俳優だったから、オーディションでわたしの何がわかる?と落胆を続けた自分を覚

えているし。

選ぶ側になってからは、
短い時間で人を選ぶことを重く受け止めすぎて、
つい、全員に長い時間をかけてしまったり。

だから、今回のオーディションも、
どれだけの人と会うか、どう出会うかを、
あれこれと模索中だ。
わたしが集まってくれる人を見るように、
集まってくれた人も、わたしを見ているのだ。

──────

2012年に、「EYES」というミュージカルを創った。

ミュージカルの長い期間をかけたワークショップオーディションで、配役が決まる最後の稽古の日。
俳優の悲喜こもごもを描いた。
わたしも、コーラスラインのザックのように、客席の一番後ろからマイクの声で出演した

木俣冬さんが、素晴らしい劇評を書いてくださったので、
これで空気感が伝わると思う。

http://www.wonderlands.jp/archives/21857/

この中に、「My Real Feelings」

という歌詞を書いた。

オーディション資料をまとめている間、
この歌が、ずっと頭の中を流れていた。

──────

   音が鳴り始める。
   整列して舞台前に並ぶ俳優たち。
   稽古着の胸に、それぞれ、
   名前と通し番号の書いてあるゼッケンをはりつけている。

マイクの声 「では、時間がありませんので、それぞれ3分くらいで、自己紹介をお願いします。」

女  ♪できるわけない! 3分で自己紹介?
男  ♪わかるわけない! 3分で人のことが
全員 ♪やってられない! いつものこの3分

   それぞれの自己紹介が始まる。
   時に、マイクからの質問や突っ込みが入る。
   それに対する受け答えも交えながら、自己紹介が進む。
   全員の自己紹介が終わったところで……

♪緊張してかみまくり、助けて!
少しおどけすぎだよな、あれじゃ!
審査員の貧乏揺すりが気になって!
馬鹿にしてるだけだろ、あの笑い!
本当はもっと自由なのに!
人間はもっと複雑なのに!
わたしたちの(俺たちの、)この3分間
あと何回繰り返せばいい、これを?

My Real Feeling わたしたち(俺たち)の生きてる実感 
わたしたち(俺たち)のこの胸の奥

My Real Feeling 伝えるには どうすればいい?
わたしたちの(俺たち)何が足りない?

My Real Feeling 言いたいのは ただひとこと
この仕事が 欲しい、それだけ!

My Real Feeling このいらだち このむなしさ
舞台だけじゃ 食えない現実

My Real Feeling 抜け出したい この列から!!!

            
   音楽、突然止まって、
   オーディショニーの一人がふと、気づいたように、言う。

「だから受けるんだよな、オーディションって。」

──────

今読むと、実に単純な歌詞で気恥ずかしいが、
俳優たちが、リアルなオーディション風景を演じ、
苛立ちや夢を身体にのせてくれたので、
今でも記憶に残るシーンになっている。

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