▶マチソワ観劇の夜に
トラムにて、渡辺えりさんの3○○
『鯨よ!私の手に乗れ』
冒頭から、ホームに入った老母の尊厳について、桑原裕子さん(えりさんがモデル)が涙
目で切れまくり、暴れるシーン。
客席は笑ってるのに、わたしはそこから涙止まらず。
銀さんの惚けた母の名演も相まって、こうして笑い飛ばしてくれることを泣きながら喜ん
だ。
演劇には浄化作用がある。
ドラマは、続いて、演劇に想いを残した女性たちの、
妄想と憧れ、記憶と現在が入り交じって、えりさんならではの世界に。
もう、とにかく、木野さん、鷲尾さん、久野さん、広岡さんが、
うまい、味がある、パワフル、もう最高で。
演劇少女のわたしは、何度もかつての自分を懐かしみ、胸のすく想いを味わわせてもらっ
切ないことばっかりなのに、大声で笑い続ける。
えりさん、久野さんにお会いできて、たっぷり観劇の喜びを伝えたあと、たまたま楽屋で
「いい芝居の後は一杯行きたいよね!」と、演劇女子らしく、王将でビール餃子。
客席からは見ていてもご一緒したことのない方といきなりビールとなるのは、ひたすらに
それだけで、話しは尽きない。楽しかった……。
自分の出自を思いだした。
わたしが何に憧れて、今、ここにいるのかを思いだした。
最近、ミュージカルが続いたり、商業が増えたり、
「イケメンが好きだね?」なんて言われたりもするわたしだが、
あの頃からちっとも中身は変わっていない。
18歳で上京して、早稲田の劇研を観て、黒テントを観て、状況劇場を観て、天井桟敷を
マチソワの観劇で、感じることたくさん。
「Color of Life」の稽古、7月の新作に向けて、
滋養溢れる1日だった。
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