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2017年3月18日 (土)

▶2017 March New York

3/12

‪ETHEL BARRYMOREは、一昨年、真夜中犬に〜を観た劇場。‬
‪一番観たかったものを、到着後すぐに観る。‬
‪チェーホフが大学生の時に書き、生前発表しなかった戯曲プラトーノフ。アンナをケイト・ブランシェットが演じる。‬
満席。開演前の客席が賑やか。
こんな劇場でチェーホフをやりたい。
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3/13
ソワレのチケットを入手後、カフェ難民。
一軒目、トイレの鍵が壊れていて入れず、二軒目へ。
今度は、隣の席に大泣きが止まらない子供を連れたお母さん登場。
もう、笑えるくらい泣く。
だからわたしもお母さんも、笑いあっている。
今日の夜からブリザードの警報。

子供はもう笑っている。
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Spanishの男の子は、最高の笑顔でBye-byeして行った。
お母さんが、邪魔してごめんなさいってあやまってから行く。
とんでもない。

わたしは今、親子の話を書こうとしているところなんだ。
隣に座ってくれてありがとう。

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3/14

「世界が美しい」「人間が美しい」
を、観たいという願いを、昨日、Cirque du SoleilのPARAMOURが叶えてくれた。
ハリウッド黄金期に女優が名声を得ると同時に、愛と芸術の板挟みに苦悩する。
なんてことない筋書きを、シルクのパフォーマーたちが美しい抒情に変えてくれる。

月曜日で観たい芝居は休演。
なんてことなくtktsでディスカウントチケットを任意の席で買った。
これが驚いたことに二列目のどセンターで。
ふだん絶対に買わない前の席で、このショーを観ることができた偶然を喜ぼう。

眼前に展開する鍛えられた筋肉と技術の祭典。
引きで観ると美学だけに酔いそうな世界、それを支える、人間が見える。
エアリアルの吊り点はほぼわたしの頭上。
呼吸が見える距離で、人間の美しさを体感し続ける時間。

特に、女と男の三角関係を、メインキャストは歌で、
同色を来た三人が空中ブランコで、同時に描くシーンには、やられた。
人が人を必要とする、そのどうしようもない力学を、空中ブランコで見せるなんて……。
わたしは妙なアドレナリンが出てしまって、想像の筋肉が躍動して体がむずむず。
脳内から言葉が詩になって山のように生まれてくる。
書いたり演出したりしている時の興奮状態によく似ている。

演出はフィリップ・ドゥクフレ。
わたしは彼と同い年だ……。ため息。
シルクの俳優たちとプロセニアムの中で物語る環境に、大いなる羨望。
帰り道は「最高でしょ!」って自棄みたいな大きな声で何度も呟きながら。
ビールを買い込んで帰った。

ブリザード警報は解除されたものの、
烈しい風と雹のような雪。今日はホテルで仕事。
地下鉄は動かず、美術館もクローズ。
劇場が開くならソワレには行く。

https://youtu.be/qM6I4VN9F0I
recording風景だけれど、空中ブランコのリハーサルシーンも少し。

https://youtu.be/o9JBQv-PJ1I
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3/15
"Natasha, Pierre and the Great Comet of 1812" at Imperial Theatre
素晴らしいEntertainment、「戦争と平和」から誰が想像したろう?
最高。すぐにサントラ購入。スタッフワークの美しさについても夜通し語れる。

モスクワのタガンカ劇場に、かつてウラジーミル・ヴィソツキーというロシアの国民的俳優、歌い手がいて。ロシア文学大好きなわたしは、彼の曲を聴いて、愛しまくった。ロシア民謡をベースにした、ギター一本のロック、バラード。それを思わせる曲が何曲もあったんだ、Great Comet には。

キャバレースタイルで生まれた小さな芝居が、Imperial Theatreで生まれ変わるための仕掛けと工夫が素晴らしい。ロシアのサロンに招ばれたような地下酒場に潜り込んだような、きっとどの席でも。
客席設定含む美術が美しくて感涙。
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3/16
グレン・クローズは、「ガープの世界」の母ジェニーで出会ってから、わたしにとって強い女性の代表、そしてスターだった。
舞台で観るのは初めて。
そして、恐らく一生忘れない夜。
「サンセット・ブルバード」のノーマ・デズモンドを演じる、グレン・クローズ。
俳優であり続けた者にしか、
光を浴び続けた者にしか、
身に帯びることのできない輝き。
板に立つ重圧と自覚の蓄積の末に刻まれた皺の深さ。

喪ってしまった人生の輝きを求め続ける姿が
哀しいのに美しい。
ノーマの見る幻想に、終演まで我が身を浸す。

泣きすぎて、涙で世界が滲むともったいないから拭い続けて観る。
懸命に拍手する。声もかけまくる。
観客であることを精一杯楽しむ。

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わたしがこうして無心に芝居を見続けるのは、
演劇がどれほど素敵か、どれほど一生を捧げるに価するか、
そして、どれほど観客であることが幸せか、
改めて感じるためなのだろう。

幸せな一日だった。
7avから42stの角を曲がったら、クライスラービルの横に、
大きな真っ白い月が輝いていた。
美しい一日でもあった。

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3/18

帰国。
空港から帰宅する時間は、いつも、空の旅ができる時代に生まれた喜びを噛みしめる。

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