▶父と娘と「ボクハレ」と
「父の日に電話できなくてごめんね」と父に今日電話をして、
ふと母の思い出を話したら、
「ママの話はやめて、またつらなるから。」と、父が言う。
複雑な出生と成長期を過ごした父には、
母は生涯をともにするたった一人の人だった。
わたしが今、台本を書き、演出をしている「ボクが死んだ日はハレ」にも、
同じような境遇の登場人物が出てくる。
どうしても父に見てほしくって何度も「東京まで出てこない?」と誘っているが、まだ、そこまでの元気は出ないらしい。
五ヶ月という時間は、
娘に台本を書かせ、作品に昇華させる力を与えてくれたが、
父は、喪ったままだ。
趣味を見つけてほしくって贈ったパソコンは気にいってくれていて、
パソコン教室に通いはじめたものの。
高齢者対象ののんびりしたクラスみたいで、
「この間アンケートを書け言われたから『じいさんばあさんの寄り合いみたいや』て書いといた」とか。
さすが、わたしの父。
でも、USBがないと保存できないからと購入したり、
ネット契約勧誘の電話がガンガンかかってくるとか、
なんだか怪しいので、
わたしが出動する必要を感じている。
本番まで稽古休みはたぶん二日。
とは言え、稽古休みは、いつも、より仕事に追われるわたし。
でも、新幹線で仕事すればなんとかなる!
うーん、わたし自身にも休みは必要か?
とか、娘は、あれこれ、あれこれ。
「ボクが死んだ日はハレ」は、心の話。
「生」きることと、生まれたからには必ずついてくる「死」の話。
これに、今、すべてをかけている。
素晴らしい音楽が生まれ、
何の法則にもとらわれない、
世界にたったひとつのミュージカルが生まれつつある。
ともに創るキャストスタッフが、この作品を最高に愛してくれていて、
わたしは幸せ。
国が揺れていることにいつも心とらわれつつ、
それでも演劇だけ創り続けることに、
今は疑問を持っていない。
「心」を描くこと。
わたしが出来ることを。
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