2016年7月17日 (日)

▶脱稿の喜び

生きてて喜ばしいことは数あれど。
脱稿の瞬間の喜びは、比類がない。
演出家が初日を開けるのは、
たくさんの人と共にする旅の一過程。
脱稿は、一人旅を終えた感覚。
でも、登場人物たちとずっと一緒だから、
多重人格者の一人旅、とでも言うべきか?

ここ五年で凝縮して覚えた、
新しい、苦しい、喜びで、
まだ慣れない。興奮さめやらない。
シャンパンでも買いにいくか!

2016年7月 3日 (日)

▶7月の朝。

なんて素晴らしい、7月の朝。

梅雨明け前の少し湿った風。
夜の鳥、あるいは蛙の鳴く声から、
朝の鳥にバトンタッチしていく刻。
人々が朝の営みをはじめる音。
砂利道を歩く音、アスファルトを歩く音。
通奏低音のように聞こえるのは、
近くの幹線を通る車の音。
あと2時間もすれば、
近くのグラウンドから、
球を追う声が聞こえてくる。

一日のはじまりがこんなにきれいなのに、
わたしはと言えば、
夜からのつながりとして、この時間を過ごしている。
できれば、眠らずに、このままいたい。

新作の箱書きを書き上げ、
秋に参加する別作品の資料の山を、
少しずつ崩す時間。

風が肌にまとわりつきながら、
わたしの人型を通り抜けていく。

IMG 1084

2016年1月 1日 (金)

新年のよしなしごと。

ー言葉。

言いたいことを言える幸せ。
言いたいことを言わぬ美しさ。

言いたいことをそのまま言わぬ賢さ。
言いたいことをそのまま言える勇気。

たくさんの言いたいことが血の中でざわめいており。
たくさんの言いたいことが総身にまとわりついており。

自分の内に、内に、さぐりながら。
他者の鏡に、自らを映しながら。

表し、現してこその、言いたいこと。
今年も、塵芥のように積もらせて、
やがて誰かには玉の輝きと映るように。

ー祈り。

理不尽なこの世の中で、
人々の生きる喜びが、
ほんの少しでも、
人々の生きる苦しみを、
凌駕しますように。

ー望み。

古い友を、新しく愛して。
新しい人を、古い友のように迎えたい。
出会いの奇跡のその先にいる自分を、
祝福できる自分でありたい。


新年のよしなしごと。
書かずとも、心のうちにあることを、
短い時間で書きとどめる。
酔って笑って馬鹿騒ぎをしている時こそ、
祈りと望みが、胸のうちで膨らんでいる。


本年も、どうぞよろしくお願いします。

2015年12月31日 (木)

今年の仕事。

1月
●台本提供した名取裕子さん朗読劇「女優」の初日@兵庫
●シェイクスピアの講演会
●「サンタ・エビータ」執筆

2月
●エビータ公演のため、タンゴと暮らす
●New Yorkへミーティング旅行

3月
●「サンタ・エビータ」

4月
●「Sleeping Beauties」準備開始
●未来への企画書をたくさん書き上げる 

5月
●「Sleeping Beauties」執筆

6月
●「Sleeping Beauties」執筆
●「魅惑のチェーホフ」準備開始

7月
●「魅惑のチェーホフ」
●「芥川龍之介の恋」

8月
●「Sleeping Beauties マブの女王」脱稿

9月
●「Sleeping Beauties マブの女王」稽古

10月
●「Sleeping Beauties マブの女王」

11月
●「Color of Life」日本版初演準備、情報公開
● New Yorkへ、二度目のミーティング、観劇三昧

12月
●「Color of Life」準備
●忘年公演「MESHI-TERRO」で「魔女の食卓」
●1月公演「盲目のジェロニモとその兄」の準備

そして、一年間、開ける限り開いた、俳優私塾POLYPHONICの稽古場の時間。

思えば、ずっとずっと書いて、ずっとずっと演出して、ずっとずっと次の企画を練って……。評価はいずれついてくるでしょう。
誰が何を言おうと、わたしは、信じることを重ねます。
この一年が、未来につながりますように。
よし。体を大事にしよう。

2015年12月30日 (水)

自分の鉱脈。

三十日。一日中、リルケを読んでいた。
仕事でなければ、この時期に読むことはない類の読書。
思わぬ詩人の目線、言葉と出会い、
仕事に関係ない部分でも、ドキドキしながら過ごした。
来年は、どんな言葉が自分から出てくるのだろう?
信じて、蓄えて、待つ。
待つだけではなく、探しに行く。
自分の内に、内に、鉱脈を信じて掘り下げて行かなければ、
在るものも、この世に出てこないだろうから。

2015年12月29日 (火)

献杯。

20代に経験した、
かけがえのない仕事でご一緒した同世代が、
先に逝ってしまい、
献杯をしてきた。
20年ぶりに、一緒に一ヶ月のスペイン公演をともにした仲間と会ってきた。
感慨は、深く、深く、枝葉が一気に季節を超えていくように、
記憶が甦る。

たくさんの人と会ってきた。
たくさんの人にお世話になってきた。
愛した。愛された。
色濃く時をともにして、会わなくなってしまった、たくさんの人たち。
本当に、たくさんの人が、今、それぞれを生きていて。
この積み重ねてきた、人との縁や時間を、
いつも心に留めておくことの大切さを、痛感する。
目の前の人、目の前の事象、今を支配するものたちに翻弄される時、
どれほど、通過してきた「時」が、わたしを支えてくれるか。
そして、今をともにする人たちも、いずれ疎遠になるかもしれない、
通過していくかもしれない、かけがえのない大切な人たち。
その、川の流れの上から下まで、
いつか辿り着く海に流れこんでしまうまで、
自分という川を俯瞰できる人でありたいと願う。

出会ってきた、どの一人が欠けても、
今のわたしは、ない。
偶然の呼ぶ偶然が連なって、偶然の今がある。
その軌跡や奇跡を、身体の隅っこに、いつも活かしておきたい。
先に逝った仲間の遺志も、感謝も、愛情の記憶も。
ダメになりそうな時に開く宝箱を、自分の身体の中に置いておきたい。

2015年12月 6日 (日)

訃報。

年末の公演のために、書き始めようとしている。
新しい物語を考えている時は幸せだ。

===
先日。
20代後半、旅の仕事で凝縮して深く関わって、
それ以来ほとんど会わなかった仲間の、
訃報が届いた。
同世代だ。

彼のことを、彼の思い出を、
彼の企画した旅で知り合った人と、
今は海の向こうに住む人と、
FBのメッセージでやり取りをした。
彼は、いつも、新しいことを考えて、
新しいことを夢中になって実現する人だったから、
今度はどんな新しいことを考えていたのだろう、と。
今度は何を思いついて、
夜中に電話してくるつもりだったのだろう、と。

===
新しい物語を考えている時は幸せだ。
それを実現しようと躍起になれる今が、幸せ。

わたしは怖がりなので、ただ前を見てひた走る。
後ろを振り向くのは怖い。
光のある方へ、ある方へ、ずんずんと歩く。

===
並んで歩いた人が、急に立ち止まって、いなくなる。
わたしは、自分が立ち止まる時が怖くて、
前に進む。
立ち止まった人の夢は、きっと自分の中にしまって、
前に、前に、持っていけると信じて。

===
新しい物語を考えている時は、幸せ。

2015年12月 3日 (木)

NY行

12/3
短い旅の終わりに。
機内での覚え書き。

=======
旅に出るのは、準備も面倒だし、わざわざ生活のリズムを崩すようなものだけれど、
旅に出なければ出会えないものがあると、ことの大小を問わず、感じた数日だった。

NYに滞在した時間はもちろんのこと、
帰国の飛行機の中でも、思いがけない出会いがあった。
出発は11月帰国は12月でビデオプログラムの入れ替えがあり、
「アルトマン」というロバート・アルトマン監督のドキュメンタリーを見つけた。

アルトマンのファンだったわたしは迷わず見た。
3回見て、それでも足りず、今4回目を見ている。
自分がどれほど彼のことが好きかを思い知りながら。
どれほど共振、共感できるかを再確認しながら。

好きな芸術家が、生きて、死んでいくことを、
まだ生きているわたしが、フィルムの中に何度も追うこと。

……映画は砂の城を作るのと同じだ。
大きな城を作っても、やがて波がやってきて城を運び去る。
でも、砂の城は皆の胸の内に残る。

アルトマンには変な作品がいっぱいある。
わたしは変な作品ほど好きかもしれない。
人生を切り取る視線の屈折度が、いつもわたしには、はまる。
彼はこんな風に言う。
……自分の創りたいものを創る。
時に人々はそれを望んでいるし、時には望まない。
それが合えば成功。
でも、成功を目指すのではなく、自分が創りたいものを創る。
わたしはその点でぶれない。

最後になった作品を創りあげた時に、インタビューに答えている。
「死は、Happy Endingでしょうか?」
「Happy Endingじゃないだろうね。
Happy Stopかな……。」

=====
旅に出るのは、楽しい。
人生が億劫になってしまったら、
面倒な旅に出ることさえやめてしまうかもしれない。

旅に出るように、作品を創ろう。
創ってみなければ出会えない世界、出会えない自分がいる。
面倒な手続きを超えて、何度も旅に出よう。
いつ訪れるかわからない、わたしのHappy Stopまで。
言葉が一人歩きしてかっこよすぎるけど、
まちがいなくそんな気分。

テーマ曲は、クレジットに目を凝らすと、
なんと、アルトマン自身が作詞作曲したもののカバーだった。
この詞に、胸を打たれた。
ざっくりと、記憶のために書き起こす。

=====

やり直しましょう もう一度最初から
哀しい目に遭ったけれど 昔のことは忘れましょ
二人が過ごした場所を もう一度訪ねて
やり直すのよ もう一度

やり直しましょう
お互いのプライドを捨てて
心の内を 気遣いあうのよ
そうすれば 再び愛が紡がれるはず
やり直しましょう もう一度

一度は愛し合ったわたしたち
あの時はあきらめてしまった
二人で愛を握りしめる前に……
だからもう一度試しましょうよ
そしてまた始めるの
今度こそ続くように
やり直しましょう 過去にこだわらず
何があろうと愛し合って
やり直しましょう もう一度
12/2
「春のめざめ」は四季版を見ていたので作品は知っていたが、
デフシアターの演出を是非観たかった。
「TRIP OF LOVE」は、内容やプロデューサーが日本人という話題性もさることながら、原田保さんの照明を見たかった。
ほかにも、生で聴きたい歌い手がいっぱいいた。
……と、心残りはたくさんあれど、
(心残りは、近い再訪で果たすことに!)
本日の観劇は最高に幸せ。
「夜中に犬に起こった奇妙な事件」

エセル・バリモアという古く由緒ある美しき劇場に、
あの現代的でシャープな舞台美術、照明を感じる喜び。
卓越した演出と、俳優たちの溢れる感情と冷静なコンビネーション。
脱帽。
芝居を観る喜びが満載でした。
同時に、演出家として、今の自分では圧倒的に物足りないぞと、
先に進む闘志が湧きました。

明日は帰国の途につきます。
12/1
NYに来ると、どうしてこうまで歩きたくなるのか?
歩き疲れて1時過ぎに眠りについたら、4時に起きてしまう。
”Sleep no more"を見たせいかしら?
眠りと仲良くなれない。
すっかり覚醒していて、airを広げ、台本に向かう。
ここまできてworkaholic。
今日はいよいよメインイベントのミーティング。
緊張してるのかな。
7時を過ぎて、少しだけ雨中を散歩。
あったかいコーヒーとマフィンを買って、
午前7時40分現在、
仮眠をとるタイミングをみはからっている。
11/30
アメリカらしいショーが見たくて、ラジオシティーに行ったのです。
トニー賞の授賞式が行われる場所、ってだけで、
一度は行ってみたいじゃないですか。
恒例の「クリスマス・スペクタキュラー」を見たのですが、
圧倒されました。
サムネイルの写真は、人間ドミノ倒しのシーン。
ゆっくりと、ゆっくりと、やがて勢いよく、
しっかりと力学に基づいた動きを、人の身体で実現。
それも、広い舞台の間口いっぱい!
個人主義が根づいた国で、
一糸乱れぬ、ラインナップダンスの美しさ、感動です。
映像と一体化した、無数のサンタの整列にワクワク!
下のサイトに、いっぱい写真が出ています。
観光客向けかと思っていたら、
見所満載の素晴らしいショーでした。
仕掛けも凝っていましたが、何より、人間力。
人が、人を笑顔にするために賭けた、
情熱と時間が思いっきり感じられて、最高。
11/29
今日も喜ばしい一日。
Brooklyn Bridgeからマンハッタンの夜景を眺めつつ、Burlesqueの夜。
Fun HomeとRadio City。
”Color of Life"を初演したDorothy Strelsin 劇場の楽屋口を訪ねたり。
台本を広げるホテルの部屋はとっても狭いけれど、
ハドソン川まで見渡せる眺望でご機嫌。

11/28

快適なフライトでNY到着。
思ったよりずっと暖かくて、雨模様。

2015年11月25日 (水)

「Color of Life 」日本版フライヤー撮影

昨日はColor of Lifeのフライヤー写真を、一日かけてじっくりと撮影。
出演舞台を観にいったり、個別に出会ってきた四人の俳優たちと、一堂に会するはじめて

の日。
今日はAKANE LIVさんの出演する「黒執事」を観にいきましたが、
チラシの束に、Color of Lifeの仮チラシを発見。
”仮”の段階で、すでに気合いがはいってます。
この作品のキーワードのひとつである”虹"の七色で、白いキャンバスが彩られています

2015年11月23日 (月)

伊勢丹とイリーナ。

わたしは、伊勢丹に行っちゃいけないんだって、わかってた。
わかってたんだけど、行っ

ちゃったよね。
すっかりイリーナみたいな気持ち。
わたし、働くわ、働くわ!

より以前の記事一覧