▶脱稿の喜び
生きてて喜ばしいことは数あれど。
脱稿の瞬間の喜びは、比類がない。
演出家が初日を開けるのは、
たくさんの人と共にする旅の一過程。
脱稿は、一人旅を終えた感覚。
でも、登場人物たちとずっと一緒だから、
多重人格者の一人旅、とでも言うべきか?
ここ五年で凝縮して覚えた、
新しい、苦しい、喜びで、
まだ慣れない。興奮さめやらない。
シャンパンでも買いにいくか!
生きてて喜ばしいことは数あれど。
脱稿の瞬間の喜びは、比類がない。
演出家が初日を開けるのは、
たくさんの人と共にする旅の一過程。
脱稿は、一人旅を終えた感覚。
でも、登場人物たちとずっと一緒だから、
多重人格者の一人旅、とでも言うべきか?
ここ五年で凝縮して覚えた、
新しい、苦しい、喜びで、
まだ慣れない。興奮さめやらない。
シャンパンでも買いにいくか!
なんて素晴らしい、7月の朝。
梅雨明け前の少し湿った風。
夜の鳥、あるいは蛙の鳴く声から、
朝の鳥にバトンタッチしていく刻。
人々が朝の営みをはじめる音。
砂利道を歩く音、アスファルトを歩く音。
通奏低音のように聞こえるのは、
近くの幹線を通る車の音。
あと2時間もすれば、
近くのグラウンドから、
球を追う声が聞こえてくる。
一日のはじまりがこんなにきれいなのに、
わたしはと言えば、
夜からのつながりとして、この時間を過ごしている。
できれば、眠らずに、このままいたい。
新作の箱書きを書き上げ、
秋に参加する別作品の資料の山を、
少しずつ崩す時間。
風が肌にまとわりつきながら、
わたしの人型を通り抜けていく。
1月
●台本提供した名取裕子さん朗読劇「女優」の初日@兵庫
●シェイクスピアの講演会
●「サンタ・エビータ」執筆
2月
●エビータ公演のため、タンゴと暮らす
●New Yorkへミーティング旅行
3月
●「サンタ・エビータ」
4月
●「Sleeping Beauties」準備開始
●未来への企画書をたくさん書き上げる
5月
●「Sleeping Beauties」執筆
6月
●「Sleeping Beauties」執筆
●「魅惑のチェーホフ」準備開始
7月
●「魅惑のチェーホフ」
●「芥川龍之介の恋」
8月
●「Sleeping Beauties マブの女王」脱稿
9月
●「Sleeping Beauties マブの女王」稽古
10月
●「Sleeping Beauties マブの女王」
11月
●「Color of Life」日本版初演準備、情報公開
● New Yorkへ、二度目のミーティング、観劇三昧
12月
●「Color of Life」準備
●忘年公演「MESHI-TERRO」で「魔女の食卓」
●1月公演「盲目のジェロニモとその兄」の準備
そして、一年間、開ける限り開いた、俳優私塾POLYPHONICの稽古場の時間。
思えば、ずっとずっと書いて、ずっとずっと演出して、ずっとずっと次の企画を練って…
誰が何を言おうと、わたしは、信じることを重ねます。
この一年が、未来につながりますように。
よし。体を大事にしよう。
三十日。一日中、リルケを読んでいた。
仕事でなければ、この時期に読むことはない類の読書。
思わぬ詩人の目線、言葉と出会い、
仕事に関係ない部分でも、ドキドキしながら過ごした。
来年は、どんな言葉が自分から出てくるのだろう?
信じて、蓄えて、待つ。
待つだけではなく、探しに行く。
自分の内に、内に、鉱脈を信じて掘り下げて行かなければ、
在るものも、この世に出てこないだろうから。
20代に経験した、
かけがえのない仕事でご一緒した同世代が、
先に逝ってしまい、
献杯をしてきた。
20年ぶりに、一緒に一ヶ月のスペイン公演をともにした仲間と会ってきた。
感慨は、深く、深く、枝葉が一気に季節を超えていくように、
記憶が甦る。
たくさんの人と会ってきた。
たくさんの人にお世話になってきた。
愛した。愛された。
色濃く時をともにして、会わなくなってしまった、たくさんの人たち。
本当に、たくさんの人が、今、それぞれを生きていて。
この積み重ねてきた、人との縁や時間を、
いつも心に留めておくことの大切さを、痛感する。
目の前の人、目の前の事象、今を支配するものたちに翻弄される時、
どれほど、通過してきた「時」が、わたしを支えてくれるか。
そして、今をともにする人たちも、いずれ疎遠になるかもしれない、
通過していくかもしれない、かけがえのない大切な人たち。
その、川の流れの上から下まで、
いつか辿り着く海に流れこんでしまうまで、
自分という川を俯瞰できる人でありたいと願う。
出会ってきた、どの一人が欠けても、
今のわたしは、ない。
偶然の呼ぶ偶然が連なって、偶然の今がある。
その軌跡や奇跡を、身体の隅っこに、いつも活かしておきたい。
先に逝った仲間の遺志も、感謝も、愛情の記憶も。
ダメになりそうな時に開く宝箱を、自分の身体の中に置いておきたい。
年末の公演のために、書き始めようとしている。 新しい物語を考えている時は幸せだ。 === 先日。 20代後半、旅の仕事で凝縮して深く関わって、 それ以来ほとんど会わなかった仲間の、 訃報が届いた。 同世代だ。 彼のことを、彼の思い出を、 彼の企画した旅で知り合った人と、 今は海の向こうに住む人と、 FBのメッセージでやり取りをした。 彼は、いつも、新しいことを考えて、 新しいことを夢中になって実現する人だったから、 今度はどんな新しいことを考えていたのだろう、と。 今度は何を思いついて、 夜中に電話してくるつもりだったのだろう、と。 === 新しい物語を考えている時は幸せだ。 それを実現しようと躍起になれる今が、幸せ。 わたしは怖がりなので、ただ前を見てひた走る。 後ろを振り向くのは怖い。 光のある方へ、ある方へ、ずんずんと歩く。 === 並んで歩いた人が、急に立ち止まって、いなくなる。 わたしは、自分が立ち止まる時が怖くて、 前に進む。 立ち止まった人の夢は、きっと自分の中にしまって、 前に、前に、持っていけると信じて。 === 新しい物語を考えている時は、幸せ。 |
11/28
昨日はColor of Lifeのフライヤー写真を、一日かけてじっくりと撮影。
出演舞台を観にいったり、個別に出会ってきた四人の俳優たちと、一堂に会するはじめて
の日。
今日はAKANE LIVさんの出演する「黒執事」を観にいきましたが、
チラシの束に、Color of Lifeの仮チラシを発見。
”仮”の段階で、すでに気合いがはいってます。
この作品のキーワードのひとつである”虹"の七色で、白いキャンバスが彩られています
。
わたしは、伊勢丹に行っちゃいけないんだって、わかってた。
わかってたんだけど、行っ
ちゃったよね。
すっかりイリーナみたいな気持ち。
わたし、働くわ、働くわ!